農水省、和ごはんプロジェクト開始 和食文化の保護・継承へ


プロジェクトのロゴマーク

 旅館でおなじみの和食。健康長寿の食として世界から注目され、2013年にはユネスコ無形文化遺産に登録されている。農林水産省は「和ごはん」を身近に、手軽に親しんでもらおうと、官民協働の「Let’s!和ごはんプロジェクト」を開始した。
 同省は和ごはんについて、日本の家庭で食べられてきた食事で、「ご飯、汁物、おかずなど、もしくはその組み合わせで構成されているもの。または、出汁(だし)並びに醤油(しょうゆ)および味噌(みそ)をはじめとする日本で古くから使われてきた調味料などが利用されているもの」と定義。

 プロジェクトは、味覚が形成される子どものうちに和食の味や食べ方の体験の機会を促し、和食文化の保護・継承につなげていくのが狙い。「栄養バランスが良くて健康的だが、手間がかかり面倒というイメージもあり、料理や作法が次世代に伝えられていない」(食文化・市場開拓課)という危機感もある。

 同省の「食育に関する意識調査」によると、地域や家庭で受け継がれてきた伝統的な料理や作法など和食文化を次世代へ伝えている国民の割合は約42%にとどまっており、半数に達していない状況だ。

 同省は食品メーカーやスーパー、ファミレスなど和食につながりを持つ事業者にプロジェクトへの参加を呼び掛けている。事業者には調理が簡単にできる商品やレシピの開発・販売、ご当地食材のメニューの展開、正月や節句など年中行事や人生儀礼(お食い始めなど)と絡めた関連商品やメニューの開発・販売を行ってもらい、同省がそれら取り組みを公表したり、メディアに発信したりする。

 同省はユネスコ登録5周年を契機に、今年から日本の食をオールジャパンで国内外に展開する。「外国人旅行者が日本の地方旅行でしたいことは『温泉・自然観光地訪問』に次いで、『郷土料理を食べる』ことが入っており、インバウンド増にも貢献できる」としている。

 プロジェクトの一環として、「和食の日」の11月24日(いいにほんしょく)に登録5周年を記念したイベントを開催する予定だ。


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