本白根山噴火からひと月強、草津温泉の現状


湯畑バルでのふるまいに並ぶ観光客

 3月3日夜、草津温泉(群馬県草津町)の澄み切った夜空に色とりどりの花火が上がった。「冬花火」だ。昨年実施し好評だったことから、今年も30分間でスターマインなど千発の花火が夜空を彩った。

 草津国際スキー場近くのベルツこども園付近で打ち上げられた。この日のスキー場は500円で滑り放題のワンコインナイター。スキーヤーにとっては思いがけないプレゼントに。また、花火は温泉街からも見ることができ、見物する観光客の表情はみな明るかった。3月31日にも予定されている。

 1月23日、草津白根山の本白根山が噴火。一時は宿泊予約のキャンセルが相次いだが、その後は再噴火も起きていない。

 草津温泉旅館協同組合は「新規の予約が入ってきている」と話し、草津温泉観光協会も「特に若い人の姿が目立つ」とホッとした表情だ。週末ともなれば「満館」の看板を出す旅館も少なくない。いつも通りの風景になりつつある。

 温泉街は本白根山の噴火口から5キロ以上離れ、噴火警戒レベルの2キロ圏内からも距離がある。町役場は「温泉街に全く問題はない」と安全をアピールする。

 観光への影響を最小限に抑えようと、町を挙げて風評対策に熱心に取り組んできた。

 「草津温泉 湯LOVE WEEK ENDS」では、(1)「湯畑キャンドル『夢の灯り』」(2)甘酒やこんにゃく味噌おでんなどをふるまう「ふるまいイベント」(3)舞茸ミニ天丼などをふるまう「湯畑バル」(4)ゆけむりJAZZ―などを行う。

 「熱之湯」でのゆけむりJAZZは通常500円だが、3月25日分については人数限定で無料とする。

 温泉街を散策していた男性宿泊客は、「もともと草津温泉のファン。こういう時こそ来ないとね。噴火口からずいぶん離れているし、心配はしていない」と笑顔で話していた。

 観光協会や旅館組合、商工会などで構成する町の誘客対策協議会は近く開く会合で、4月以降のイベントを決める予定だ。


湯畑バルでのふるまいに並ぶ観光客


草津の冬の夜空を彩る冬花火

 
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