日商、国交相に観光振興で意見書 2次交通網整備など求める


 日本商工会議所は8日、「観光立国のさらなる前進をめざして」と題した意見書を石井啓一国土交通相に提出した。訪日観光客は増えているが、大都市圏や有名な観光地に偏っていることから、(1)地域分散型の汎日本(オールジャパン)観光を目指す(2)リピート需要を満たすよう観光資源の充実、活用とともに、観光手法の多様化を図る「ワイドな観光」を展開する―などを提案した。

 同日、日商の須田寛・観光委員会共同委員長、佐々木隆・東商観光委員長らが国交相を訪問し、田村明比古観光庁長官同席のもと、陳情した。日商によると、国交相は「意見書と同じ問題意識を持っており、観光関連産業の生産性向上や人手不足対策などに取り組んでいきたい」と述べた。

 観光客の地域分散を進めるには、2次、3次交通網の整備が課題となっている。意見書はJRの「ジャパン・レール・パス」のような周遊パスについて、ローカル鉄道やバスと連携させるような仕組みを作るべきだとした。

 また、訪問先で移動手段を持たない観光客向けに、新たな地域交通システムとしての活用が注目されるエコカートの普及や支援を提言。具体例として、石川県の輪島商工会議所の取り組みを示した。

 増加するインバウンドへの対応では、外国人の活用促進が不可欠として、外国人技能実習制度における、2年目以降の在留資格となる2号移行対象職種の見直しを求めた。例えば、料飲サービス業ではレストランサービス技能検定があるが、意見書は「こうした検定試験を2号移行対象職種の追加に必要となる技能評価試験として活用しながら、制度への組み込みを図るべきだ」と指摘。

 IT、IoTを活用した生産性向上では、宿泊予約システムをはじめとしたIT化への支援や重労働の自動化・省力化に向けた産業ロボットなどの開発促進を提言した。

 
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