ホテル・旅館の業況DI、前期比・前年比とも低下 日本公庫1~3月調査 


 日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館、飲食など生活衛生関係営業の景気動向等調査の1~3月期分を公表した。同期のホテル・旅館の業況判断DI(前期比で好転の企業割合から悪化の企業割合を引いた値)はマイナス28.5で、前期比20.2ポイント、前年同期比1.0ポイントそれぞれ低下した。来期は0.6とプラス水準に回復の見通し。

 生活衛生関係営業全体はマイナス31.7で、前期比9.0ポイント低下。ただ、前年同期比では0.5ポイント増と、4期ぶりに上昇した。

 9の業種別では、映画館(9.8)のみがプラス水準だった。来期はホテル・旅館ほか映画館、氷雪、クリーニングがプラス水準の見通し。生活衛生関係営業全体はマイナス10.9と、今期比20.8ポイント上昇の見通し。

 業況判断に関するホテル・旅館の主な声は次の通り。

 「インバウンド効果で宿泊客が増加し、客単価のアップもあったので、業績は良好であった」(今期、好転、青森県)。

 「インバウンド対策に努め、お客さまに登山やアクティビティなどを通じて長期滞在型で利用いただいていることが好転の要因である」(今期、好転、福島県)。

 「前年は大雪の影響があり、キャンセルなど予約状況へのマイナス面が出たが、今年は現在まで雪が少なく、予約状況は良い。また、前年は改装工事のため稼働していない客室があったが、今年はフル稼働しているので、増収が見込める」(今期、好転、新潟県)。

 「インバウンドが好調なため稼働率が上昇し、売り上げ増加につながっている」(今期、好転、千葉県)。

 「外国人など個人のお客さまが増加傾向にあるものの、団体、宴会型のお客さまが減少しているため前年並みとなった」(今期、不変、山梨県)。

 「近隣にホテルがたくさん新設されているため、飽和状態にあり、業況は悪化した」(今期、悪化、石川県)。

 「東京ガールズコレクション(ツインメッセ静岡)、静岡マラソン、国公立大学の前期入学試験が開催されるため宿泊需要が旺盛となることが予想される」(今期、好転、静岡県)。

 「市内の人口減少に加え、新規飲食店の開業が相次ぎ、お客さまの分散が続いている。また、客室係の人材難が深刻」(今期、悪化、三重県)。

 「昨年秋は、台風のため関西空港が閉鎖となり訪日外国人に大きな影響が出たが、驚くほど短期間で空港が元通りになったことで今期への影響はほとんど残らなかった」(今期、不変、大阪府)。

 「観光シーズンにおいては、それなりの客室稼働が期待できる。奈良はオンオフの差が激しいので、活発な時期にしっかりと乗ることが重要になってくる」(来期、好転、奈良県)。

 「カニの収穫量が少なくなってきて、価格も上昇しているため、お客さまに対してカニのフルコースがなかなか提供できなくなった。お客さまもカニが高いので見合わせている」(今期、悪化、鳥取県)。

 「心配していた雪もほとんど降らず、観光客に期待していたが、業況は横ばいの状況」(今期、不変、島根県)。

 「県が外国人誘致に力を入れているので若干の増加は期待できるが、工事需要の低下に伴う宿泊減少もあり、全体的には不変と判断した」(来期、不変、徳島県)。

 「当期はオフシーズンながら、韓国プロ野球のキャンプと3月に開催される「土佐のおきゃく」というイベントの宿泊客の増加に期待して不変とした」(今期、不変、高知県)。

 「今年は、NHKの大河ドラマ『いだてん』や熊本DC、南九州高校総体、ラグビーワールドカップ、世界ハンドボールなどがあり、多くの交流人口が見込まれる。そうした動きに合わせたインバウンド関連の取り組みに力を入れている」(来期、好転、熊本県)。

 
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