犬カフェのインバウンド客
旅の思い出をシールプリントして缶飲料のラベルに
国際見本市の主催会社最大手のＲＸ Ｊａｐａｎ（旧社名＝リード エグジビジョン ジャパン、東京都中央区）は、8～10日の3日間、「観光業／宿泊業」「ツーリズム」に関わるＢ ｔｏ Ｂ商談展「国際ツーリズムトレードショー（通称＝ｉＴＴ）」を東京・有明の東京ビッグサイトで開催する。
サントリー食品インターナショナル（サントリーＢＦ、東京都港区）が今回の国際ツーリズムトレードショーＴＯＫＹＯ2024の出展ブースで紹介するのは、3月28日に開始した新サービス「スナップドリンク」。スマホなどで撮影した旅の思い出をその場でシールプリントし、缶飲料のラベルにできる。“超簡単、その場で作るオリジナル飲料サービス”だ。
サントリーＢＦでは、ホテル・旅館や、観光施設の映えスポット、レジャー施設、飲食店、イベント会場などでの活用を提案している。
これまでのオリジナルラベル飲料は、飲料工場での大量生産が前提だったため、リードタイム（納期）が長い、ロット（仕入れ量）が大きい、柔軟性が低いなどの難点があった。
スナップドリンクでは、旅行客がスマホで撮影した写真をサントリーＢＦが提供する専用サイトに自分で登録。専用サイトに表示されるＱＲコードを使って、その場に設置してある卓上ラベルプリンターでプリントアウトし、専用缶に貼り付けるだけ。ラベルは二重のシールになっており、飲み終わった後も缶から剥がして旅の思い出ステッカーとして使える。専用サイトは日本語と英語に対応しており、インバウンド誘客のツールとしても利用できそうだ。
ラベルのサイズは縦9センチメートル、横11センチメートル。左サイドに旅行客が撮った写真、右サイドに購入した日付と場所が入る。写真の下には好きなテキスト（文字）を入力できるようになっている。
飲料はレモンスカッシュとウーロン茶の2種類。スナップドリンクの導入施設・店舗は、1ケース（350ミリリットル缶24本）単位で仕入れることができる。専用システムと専用プリンターはサントリーＢＦが無償で貸与する。初期投資は一切不要、販売スペースの確保のみで、スナップドリンクのサービスを導入できる。
料金体系は、缶飲料の仕入れ値が1本あたり約136円で、想定販売価格は1本あたり500～800円。販売価格（税抜価格）の20％をシステム使用料としてサントリーＢＦに支払う仕組みだ。仮に136円で仕入れて税込み600円で販売した場合、309円が販売施設に残る計算となる。
サントリーＢＦのスナップドリンクは、話題性があり、手間もコストもかけずに導入できて、収益性も高い新サービスと言えそうだ。
開始したばかりの新サービスだが、既に大規模施設を中心にテーマパーク、遊園地、動物園、着物レンタル施設、また大手ホテルチェーン、温泉旅館などでの稼働が始まっている。
スナップドリンクは実は、昨年サービスを始めた「ＴＡＧ ＬＩＶＥ ＬＡＢＥＬ」の観光業界向けバージョン。ＴＡＧ ＬＩＶＥ ＬＡＢＥＬではプロスポーツ選手やアイドル、芸人、アニメキャラクターなど企業が保有するＩＰ（知的財産）をラベルプリントして販売。既に80社が導入し、24年内に累計300社への導入を目指している。ファンが集まる場所で展開したところ好評で、導入が広がっていることから、人が集まる観光業界への横展開を決めた。
スナップドリンクについて、サントリーＢＦでは次のように話している。「今までのフォトサービスには、撮影スポットの造作が必要だったり、運用に多くの人員が必要だったり、プリント分のロスが多かったりと問題もあった。写真の単価も1千～2千円と高額なため、旅行者がＳＮＳで満足してしまうケースも多くなってきた。観光業界の皆さまには、スナップドリンクの導入で、話題性と新たな収益源の一つを確保していただければと考えている」。
▽サービス内容紹介サイト（https://tag-live-label.jp/）
▽問い合わせ先（support_taglivelabel@suntory.co.jp）
遊園地での親子ショット
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