【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 518】新型肺炎に打ち勝つ戦略8 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘


 前回に引き続き、新型肺炎に打ち勝ち、終息後にさらなる発展を遂げるためのステップを紹介しよう。新型肺炎の流行により観光業は大きな打撃を受けているが、こういう時だからこそ意気消沈することなく、経営改善に向けた取り組みを着実に実行していきたい。流行はいずれ終息する。良いスタートダッシュが切れるよう前向きに準備したい。

 (11)再開業に向けた準備を急ぐ

 ゴールデンウイークを境に自粛要請解除に向けた動きが全国で活発化してきた。そろそろ集客に向けてコンセプトやプラン作りを本格化していきたい。人との接触を避けた自粛生活が続いたことにより、消費者の嗜好は根本的に変わってしまった可能性がある。これまでの施設の強み、弱みが逆転したケースもあるだろう。過去のセールスポイントが今後通用しなくなりそうであれば、思い切って見直すことをお勧めする。

 予約サイトに掲載する画像素材も見直したい。しばらくの間は、プライベート感や開放感があり、周辺に屋外アクティビティの多い施設が宿泊先として人気を集めるだろう。

 パブリックや客室、温泉のプライベート感・開放感、屋外アクティビティが充実していることが伝わるような画像素材が良いだろう。バイキング形式の料理提供は、人との接触機会が多いので敬遠される可能性がある。再開業を機に料飲メニューの見直し、写真の撮り直しをすることをお勧めする。

 今年の秋口くらいまでは、個人客、日帰り客をターゲットとして重点的に取り組みたい。これまでインバウンドや老人会、ツアーなどの団体客に依存してきた施設は、しばらくの間はターゲットを根本的に変える必要がある。過去の売り上げ構成にこだわらず、動きのある客層から狙っていきたい。

 客室販売は6カ月先を目安にして、可能な限り先の日程まで販売しよう。新型肺炎の完全終息を見越して、少し先の日程で予約する消費者が多くなる可能性があるからだ。今後しばらくの間は、少ない観光需要を各施設で取り合うことになる。他施設に先行して予約を積み上げることにより売り上げを安定化させよう。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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