【訪日ラボの目線 インバウンド市場を読み解く 2】言葉が通じない中国人がなぜ?日本の飲食店の接客を高く評価


 外国人観光客が増加するにつれ、飲食、宿泊、交通といったいわば観光インフラ的な業界は、インバウンドを好む好まざるを問わず、受け入れ態勢の強化が必須科目となりつつある。一方で「日本のサービスの質は高い」と海外から評価されていると見る風潮があるが、実際のところ訪日外国人はどう感じているのか。これを明らかにすべく、飲食店に特化した接客英会話レッスンを展開している「株式会社華ひらく」は、外国人観光客を対象に、日本の飲食店の接客、サービスに関するアンケートを実施した。

 外国人観光客に「日本の飲食店の接客と母国の飲食店の接客、どちらが質が高いと思うか?」との質問に73%が「日本の方が質が高い」と回答。理由としては「フレンドリーな接客」「チップがないのに接客が丁寧」といった声があった。一方で、「自国の方が質が高い」と回答した理由では「言葉が通じない」が多かった。

 言葉の壁の問題は「日本の飲食店の英語力はどうか?」という質問の回答に表れている。約半数の外国人観光客が「十分ではない」と回答しており、「こちらが言っていることは理解してくれるが、向こう(日本人スタッフ)が言っていることがこちら(外国人観光客)には分からないところが多い」などの声が上がっている。一方で、「十分」「十分ではないが問題ない」とする外国人観光客からは、英語力の代わりとなる英語のメニューや料理の写真、ジェスチャー、テクノロジーを使ったツールがあれば問題はないとする声があがった。

 この二つの結果を合わせて考えると、外国人観光客の4人に3人は「言葉が通じないという問題はあれど、日本のフレンドリー、または丁寧な接客に対して好印象を持っている」とも言える。だからこそ「英語ができないからダメ」と考える必要はない。外国人観光客から評価されるのは、笑顔を絶やさないフレンドリーな接客、ゲストに喜んでもらおうとする気持ち、最新の指差し会話ツール、翻訳ツールなどを活用したホスピタリティーなのだ。 

 
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