「違法民泊排除を」全旅連が福岡で全国大会


約1100人が集まった今年の全国大会(中央=多田会長)

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長=石川県・ゆけむりの宿美湾荘)は6日、福岡市のヒルトン福岡シーホークで第96回全国大会を開いた。全国の旅館・ホテル経営者ら約1100人が参集。違法民泊の排除や訪日外国人客の受け入れ環境整備など14項目の決議文と大会宣言を採択した。前日開いた総会では観光立国の実現推進を定款の条文に追加する案を承認。多田会長は違法民泊や人手不足対策とともに、観光立国実現のための活動に力を入れる方針を述べた。

 あいさつで多田会長は、昨年の会長就任から現在までの1年間を回顧し、「組織力の充実に向けて、活動の見える化と情報の共有化という二つのキーワードで事業を進めた」と強調。懸案だった民泊問題について、「全国(都道府県旅館ホテル組合)の理事長らに活動いただいたおかげで都道府県の約7割が(民泊を規制する)条例を制定した。住宅宿泊事業法は6月15日に施行されるが、全旅連は法律が適正に運用されるよう、これからも活動を進める」と、違法民泊の排除に向けた取り組みを今後も進める方針を述べた。

 また人手不足問題に触れ、「全国の会員と一丸となり、力強く進めていく」と、対処を約束した。

 前日の総会で観光立国の実現推進を定款の条文に追加したことも報告。「この(観光の)活動に最後までついていけないのが全旅連だったが、これからは変わっていく」と、「生活衛生を軸に今後も活動する」としながらも、観光の分野も積極的に取り組む構えを見せた。

 大会の冒頭は大会実行委員長で福岡県旅館ホテル生活衛生同業組合の井上善博理事長が地震、豪雨など自然災害からの復興支援に感謝するあいさつを述べた。

 観光経済新聞社などが協賛する第21回「人に優しい地域の宿づくり賞」の表彰式も実施。厚生労働大臣賞は熊本県旅館ホテル生活衛生同業組合、全旅連会長賞は温泉ホテル中原別荘(鹿児島県)が受賞(既報)。観光経済新聞社社長賞は芦原温泉旅館協同組合女性部女将の会(福井県)が受賞し、積田朋子本社社長から表彰状が授与された。

 「違法民泊を徹底的に排除し、経営の安定と国際観光サービスの品質の向上に向け、邁進(まいしん)する」とした大会宣言、「観光立国の推進に向けた、訪日外国人客の受入環境を整備しよう」「地域の安心と安全を守るため違法民泊事業者を排除しよう」など14項目の決議文を全会一致で採択。

 来年の全国大会は6月5日、茨城県で行われることが決まり、壇上で茨城県ホテル旅館生活衛生同業組合のメンバーらが来訪を呼び掛けた。

 
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