
シンガポール航空は11月6日、青山学院大学 経営学部と共同で「第1回マーケティング学習プログラム」を実施したと発表した。
青山学院大学 経営学部教授 小野譲司氏: 前列右から4番目 シンガポール航空 日本支社長 ケニー・テオ氏: 前列左から3番目
この共同学習プログラムは、青山学院大学の学生が、実際にシンガポール航空の企業活動を体験するとともに、シンガポール航空が日本の利用者のニーズ、とりわけZ世代をより深く理解し、利用者の旅行体験をより充実したものにするための革新的な方法を探ることを目的としています。これは青山学院大学 経営学部が開講する授業「経営演習(担当教員:経営学部教授・小野譲司[1])」の中で展開され、日本の大学とシンガポール航空が初めてコラボレーションする「マーケティング学習プログラム」です。
産学連携を通じて、青山学院大学 経営学部の3年生および4年生の学生20人が、世界をリードする航空会社で、数々のアワード受賞歴もあるシンガポール航空のセールス・マーケティング戦略、プロダクトの特徴などについて、本プログラムを通して学びました。また期間中、8月28日〜9月1日の間、共同プログラムの一環としてシンガポールを訪問し、クリスラボ(KrisLab https://www.singaporeair.com/ja_JP/jp/sq-corporate/KrisLab/ )[2]にてシンガポール航空本社カスタマーインサイトチームと、日本の若い世代がシンガポール航空を利用する動機となるものは何かについてのフォーカスグループにも参加しました。
青山学院大学 経営学部教授 小野譲司氏: 前列左端 シンガポール航空 カスタマーインサイト・シニアマネージャ ジェラルド・タン氏: 2列目左端
Z世代をターゲットにした機内食というテーマでは、シンガポールを代表する料理のひとつであるチキンライスをアレンジした「チキンライスバーガー」を機内で提供するというアイデアが提案されました。カトラリーなしで食べられる機内食を提供することで機体への搭載重量の軽量化を図ることができ、CO2排出量削減を目指すことができます。また、Z世代をターゲットにした旅行商品というテーマでは、人々の性格タイプを16のカテゴリーに分類するための心理学的なツールであるMBTI診断を活用した自分だけの旅程表を立てられる旅行商品のアイデアも提案されました。このコンセプトは、個性を重視し、海外旅行経験が比較的浅い若い世代が自分だけの旅行プランを作成することを支援するものです。
青山学院大学 経営学部教授である小野譲司氏は、次のように述べています。
「学生にとっては、実践に近いところでマーケティングを学ぶ機会であることはもちろん、実際に現場で働かれている方々とインタラクションする中で、仕事や働くことの意義を考えたり、海外に目を向けるきっかけにもなったと感じています。シンガポール航空にとっても、日本の大学生と直に対話し、学生の視点やアイデアを聴いていただくことを通して、調査会社の報告書とは異なった気付きやインサイトを見出していただければ幸いです」
このプログラムに参加した青山学院大学 3年生の学生は、次のように述べています。
「シンガポール航空との産学連携でのプロジェクトを通して、企業が企画を考える際には、その企業が実施する意義を本当に大切にしていることが分かり、さらにその意義とターゲットのニーズを兼ね合わせた企画を考えることの難しさを感じました。また、航空業界についてやシンガポール航空がどのようなことを大切にしているのか、ターゲットのニーズをどのように形にしていくのかなどさまざまなことを学ぶことができました」
シンガポール航空 日本支社長であるケニー・テオは、次のように述べています。
「青山学院大学や小野教授と協力し、若い世代を育てるために実践的な経験を提供できたことを光栄に思います。日本への就航が55年を迎えた、世界をリードする航空会社としての社会的責任としてもとても良い機会となりました。そしてこれからも、お客様や私たちがサービスを提供するマーケットに最高のサービスを提供することに全力を尽くします。この産学連携を通じて、顧客体験全体を向上させる可能性のある革新的なアイデアを見出すことができました。今後も青山学院大学との連携に期待しています」
[1] 青山学院大学 経営学部 マーケティング学科教授。専門分野はマーケティング、サービスマネジメント、顧客経験、顧客満足度指数。 [2] クリスラボ(KrisLab)は、シンガポール航空のデジタルイノベーションラボです。クリスラボは、シンガポール航空グループのスタッフが革新的なアイデアを開発し、外部パートナーやスタートアップ企業、定評のある未上場企業や起業家に対して支援を提供する団体や組織と共同イノベーションを行うための共同ワークスペースとして機能しており、シンガポール航空グループが事業運営のあらゆる面でテクノロジーを駆使しデジタル化を推進するための中核を担っています。