兵庫県神戸市にある「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」は、震災の教訓と経験を後世に伝える防災学習施設として2002年に開館し、小・中学校などの学校団体を中心に、延べ900万人を超える来館者が訪れている。
センターは、阪神・淡路大震災をテーマとした「西館」と、防災・減災をテーマとした「東館」の二つの建物からなる。
西館では、震災の経験と教訓を後世に伝えてゆくべく、地震発生の瞬間の再現映像や復興に至るまちと人の様子を描いたドキュメンタリードラマの上映、被災者から提供された震災資料の展示に加え、震災直後のまち並みをジオラマ模型でリアルに再現しているコーナーなどがあり、あの時、被災地でなにが起こり、どのように人々が暮らしていたのかを知ることができる。
東館は21年に3階フロアの全面リニューアルを行い、自然災害のメカニズムや災害時の避難行動などについて学ぶことができる「BOSAIサイエンスフィールド」をオープンした。
このフィールドでは、自らが高気圧となって台風の進路を誘導する「ウェザーウォーク」などの体験型展示が並ぶ「ジオ&スカイホール」、360度に広がるVR映像で地震、津波、風水害の災害現場にいるような疑似体験ができる「ハザードVRポート」、災害時のさまざまな場面を体験できる映像空間でクイズに答え、命を守る最善の行動力を身に付ける「クエスチョンキューブ」など、最新の防災知識を楽しく体験して学ぶことができる。
阪神・淡路大震災から30年近い年月がたち、震災を知らない世代も増えているが、実際に起きた災害から学ぶことは多い。「わずか10数秒の揺れによって、まちやそこに暮らす人々がどのような被害を受け、どう復旧、復興へ向かっていったのかをぜひ知り、自らの備えに役立ててほしい」と同館。
東館3階「ジオ&スカイホール」
東館3階「クエスチョンキューブ」
西館4階「震災直後のまち」