
記念式典には約200人が参加(式辞を述べる熊谷村長)
長野県阿智村の昼神温泉は今年で出湯50周年を迎えるが、これを記念して11月23日、阿智村中央公民館ホールで、「50周年記念式典」を開催した。旅行会社、旅館・ホテル、観光施設など約200人が参加した。
主催は昼神温泉出湯50周年記念事業実行委員会。実行委員長で阿智村長の熊谷秀樹氏による式辞、出湯50周年記念ムービーの上映、そして、副実行委員長で阿智昼神観光局代表取締役の白澤裕次氏による「昼神温泉リニア新時代構想」が発表された。
冒頭あいさつした熊谷氏は、「昼神は太古の昔から温泉が出ていたという説があるが、現在の温泉地は1973年の旧国鉄の中津川線ボーリング調査中に偶然、温泉が湧き出たことから始まった。それまでの農業が主要産業であった阿智村に新たな観光産業への転換を促した天の恵みは、村と南信州の観光の発展に大きな出来事となった」などと述べた。
昼神温泉は75年、第1号旅館となる阿智川荘がオープンし、85年には旅館数が23軒となった。阿智村の名物となる「朝市」もこの頃から開始され、2005年には愛知万博の効果もあり、入り込み客数80万人を達成した。しかし、この頃から旅行形態が団体から個人・小グループにシフトした。
阿智村でもこういった動きに対応するため、12年から「天空の楽園日本一の星空ナイトツアー」に代表される新しい観光コンテンツの展開や、最近ではユニバーサルツーリズムを積極的に進めている。
白澤氏は、20年に策定された「昼神温泉リニア新時代構想」に則った新たな昼神温泉のデザインイメージを発表した。
日本一の星空など、50年の歴史の中で地域の誇りとなり得るコンテンツが誕生したことを踏まえて、これからは国内のみならず世界中から選ばれる昼神温泉を創造する必要があるとした。
具体的には温泉街の駐車場を1カ所に集約し、橋を設けて温泉街をつなぎ、温泉街には車を通さずに徒歩で街歩きをしてもらう構想を明らかにした。
また、27年の開業を目指すリニア中央新幹線と、25年予定の三遠南信自動車道の開通を踏まえ、「開通すれば首都圏や、浜松からの移動時間が大幅に短縮される」とした上で、「昼神に早く着いて、長期間滞在してもらえるような新たなコンテンツ作りを進める必要がある」などと述べた。
記念式典には約200人が参加(式辞を述べる熊谷村長)