鉄旅オブザイヤー2020 グランプリは4者共同商品


グランプリは4者共同の企画商品が受賞

10周年記念し「特別賞」創設

 日本国内の優れた鉄道旅行を表彰する2020年度の「鉄旅オブザイヤー」の結果発表、授賞式が4月21日、さいたま市の鉄道博物館で行われた。グランプリには4者共同の企画商品、「三セク鉄道のオリジナル印“鉄印”がもらえる『鉄印帳R』付ツアー 9つの列車をツナグ!みちのく鉄道周遊」が選ばれた。一般部門のベストアマチュア賞は、小学生の東浦拓斗さんが企画した「四国の三兄弟に会いに行く!小学生が考えた四国全県制覇の旅!!」が受賞した。

 同イベントは今回で10回目。旅行会社部門の表彰対象は、2020年10月までに催行決定予定の国内を目的地とする募集型・受注型の企画旅行で、45件の応募があった。主催者の実行委員会(委員長=堀坂明弘・日本旅行特別顧問)、外部審査員(同=芦原伸・日本旅行作家協会専務理事)の審査を経て、「エスコート部門賞」「パーソナル部門賞」「DC部門賞」「鉄っちゃん部門賞」の各賞を決定。今年度のグランプリは、審査員の事前投票に加え、授賞式に出席した来賓による投票を実施し、最多の票数を獲得した商品に贈られた。

 冒頭、堀坂氏は「昨年度は旅行が催行できない厳しい状況が続いた。そんな中でも精力的に多くの作品を提出してもらい、主催者としては各位に敬意を示したい」と感謝を述べた。10周年を記念する特別賞として、「国土交通省鉄道局長賞」「『旅に出よう!日本を楽しもう!』賞」の創設を併せて発表した。

 グランプリの鉄印帳ツアーは、読売旅行、日本旅行、旅行読売出版社、第三セクター鉄道等協議会の4者が共同で企画。同ツアーは御朱印帳の鉄道版「鉄印帳」を携行し、岩手県、秋田県内を第三セクター鉄道で巡り、鉄印を集める新しい鉄旅だ。会場内では、ツアー参加者が鉄道沿線の魅力に触れながら、三陸鉄道などの鉄印を集める様子が放映された。

 審査員からは「鉄印帳のアイデアは、路線網が分断されている第三セクター鉄道をつなぎ、利用促進を図る意味で革命的なイノベーション。駅長や駅員の御筆による御朱印は、鉄道を愛する者にとっては宝物。これをわが手にできる喜びを実現した本コースは、経営難に苦しむ第三セクター鉄道を救済する面も含めて、二重の意味で称賛に値する」との評価が寄せられた。

 81作品の中からベストアマチュア賞を受賞した東浦さんは、企画当時はまだ9歳の小学生鉄ちゃん。「数字が好きで、2歳のころ熱を出した時、お母さんが時刻表を買ってくれたことから電車が好きになった」と東浦さん。愛媛県と高知県を結ぶ予土線の三兄弟(長男・しまんとトロッコ、次男・海洋堂ホビートレイン、三男・鉄道ホビートレイン)に乗車する2泊3日のツアー作品を造成した。バスと鉄道を乗り継ぎ、四国各地の観光名所を巡るツアー概要を東浦さんが説明すると、会場内からは感嘆の声が上がった。

 各受賞作品は以下の通り。

【旅行会社部門】
 グランプリ、鉄ちゃん部門賞=三セク鉄道のオリジナル印”鉄印”がもらえる「鉄印帳R」付ツアー 9つの列車をツナグ!みちのく鉄道周遊(読売旅行、日本旅行、旅行読売出版社、第三セクター鉄道等協議会)▽エスコート部門賞=〈ひとりの贅沢〉「九州鉄道三昧~4社共同特別企画 くまもと応援編~3日間」(クラブツーリズム)▽パーソナル部門賞=豊肥本線に乗ろう!阿蘇・熊本(JTB)▽DC賞=せとうち広島デスティネーションキャンペーンJRで行く!瀬戸内スペシャル(日本旅行)▽国土交通省鉄道局長賞(特別賞)=とどけよう元気東日本応援企画 お座敷列車華で行く館山日帰りの旅(クラブツーリズム)▽「旅に出よう!日本を楽しもう!」賞(同)=北海道から九州まで!日本列島鉄道縦断ツアー(小田急トラベル)

【一般部門】
 ベストアマチュア賞=四国の三兄弟に会いに行く!小学生が考えた四国全県制覇の旅!!=東浦拓斗

グランプリは4者共同の企画商品が受賞

 
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