
近畿日本ツーリスト
4月の改正障害者差別解消法施行をにらみ、近畿日本ツーリストは、外出や旅行に不安を感じているオストメイトとその家族に、旅を楽しみ、温泉入浴をしてもらおうと、日帰りツアーを企画した。
ストーマ装具メーカー、アルケア(東京都墨田区)と連携、「ストーマ(人工肛門・膀胱)装具工場見学と龍宮城スパ・ホテル三日月温泉入浴体験会」と称して4月1日に実施する。
当日は錦糸町からバスで出発。三日月で温泉に入り、アルケアの千葉工場見学後、錦糸町で解散する。添乗員が同行し、旅行代金は昼食付きで1人1万8千円。
三日月では、脱衣室は男女ともにツアー参加者専用スペースを用意、安心して装具の着脱やケアができるようにする。また、アルケアが開発した目隠し機能と防水機能を持った入浴シール「バスラックシール」を試すことができる機会も設ける。
個人では難しいアルケアのストーマ装具工場内を見学、製品の安全性や耐久性を知ってもらうことで装具への理解を深めてもらうとともに、社員による災害対策レクチャーも行う。
両社連携してのツアーは2019年に初めて実施。近ツーは「相談しづらい悩みを抱える仲間同士のコミュニティづくりの機会になると、参加者に好評だった」という。
オストメイトは直腸がんや大腸がん、炎症性腸疾患など後天的な要因でなるケースが多く、その数は年々増加しているという。
改正法施行により、旅館・ホテルなどの事業者は、オストメイトに対して入浴の拒否などを行わないように不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮が義務付けられる。