訪日客が旅行中に困ったこと、施設での会話が最多


 観光庁は3月20日、訪日外国人旅行者を対象に日本国内でのコミュニケーションなどに関するアンケート調査の結果を発表した。訪日外国人が旅行中に困ったことでは、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が最多。続いて「多言語表示の少なさ・分かりにくさ(観光案内板、地図等)」が多かった。コミュニケーションや多言語表示で困った場所は、飲食店、鉄道駅、小売店が多いが、宿泊施設についても外国語スキルの不足を指摘する声が上がった。

 アンケート調査は昨年9~10月、成田、羽田、関西、新千歳、福岡、那覇の各空港で実施した。回答数は3225人。

 旅行中に困ったことを複数回答で聞いた結果、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」が26・1%で最多。「多言語表示の少なさ・分かりにくさ(観光案内板、地図等)」が21・8%、「無料公衆無線LAN環境」が21・2%、「公共交通の利用」が18・9%だった。
コミュニケーションや多言語表示で困った場所を複数回答で聞くと、飲食店が28・5%、鉄道駅が17・4%、小売店が16・2%、城郭・神社・仏閣が9・8%、宿泊施設が5・4%だった。

 場所別に困ったことが多かった場面を見ると、小売店では商品の内容や使い方を確認する際に、飲食店では料理を注文する際に、多言語表示や外国語スキルの不足を指摘する声が多かった。鉄道駅では目的地への行き方を特定する際に、城郭・神社・仏閣では歴史・文化の説明を読む際に、多言語表示の不足や誤訳を指摘する回答が目立った。

 宿泊施設に関しては、「チェックインの際」「日本独特のもの(大浴場など)の使用方法を尋ねる際」のコミュニケーションに困ることが多かったという。チェックインの際については、「スタッフは話そうとしたが、スキル不足」と指摘した回答が目立った。

宿泊施設の外国語スキル「改善の余地大きい」 観光庁田村長官

 訪日外国人旅行者へのアンケート調査の結果を踏まえ、観光庁の田村明比古長官は20日の専門紙向け会見で、宿泊施設の外国語スキルについて「改善の余地が大きい」と指摘した。

 外国語対応では、飲食店や小売店、鉄道駅などそれぞれに課題があるが、特に宿泊施設について言及。「ちょっと困ったのは宿泊施設。『スタッフは話そうとしたが、スキル不足』という回答が多い。発展途上国でもホテルのフロントで困ることはあまりない」と指摘した。

 スキル不足を補う策として、多言語音声翻訳機能を備えたタブレット端末、指差し会話シートなどのツールの活用を挙げたが、一方で「従業員への最低限の英語教育は必要だ。さらに外国人の活用も考えなければならない」と述べた。

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第37回「にっぽんの温泉100選」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 1位草津、2位下呂、3位道後

2023年度「5つ星の宿」発表!(2023年12月18日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第37回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2023 年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2024年1月22日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒