訪日外客数、16カ月振りに増加


 日本政府観光局(JNTO)が12月21日発表した09年11月の訪日外客数は前年同月比2.1%増の56万5千人となり、昨年7月以来16カ月ぶりにプラスに転じた。好調の中国に加え、主要市場の韓国、オーストラリアの客足が戻り始めたことが主な要因。訪日市場全体としては、国際的な金融危機が深刻化した08年夏以前の水準には回復していないが、ようやく下げ止まり感が出てきた。

 韓国は11.0%増の13万400人。08年9月から09年10月まで20〜50%台の2ケタ減少が続いてきたが、17カ月ぶりに増加に転じた。ただ、水準としては04年11月の12万8千人を上回った程度にとどまった。

 ウォン安円高の影響で訪日旅行経費が割高となる状態は続いているが、「円高の継続に“慣れ”もみられるようになった」(JNTO)。また、訪日客の増加には、日本を舞台にした韓国のテレビドラマ「アイリス」の人気が貢献。撮影地の秋田市や田沢湖、乳頭温泉、男鹿半島など、東北の観光地を多くの旅行者が訪れた。

 豪州は20.7%増の1万7300人、11月としては過去最高を記録した。豪州経済の回復、航空会社による日本路線の特別料金設定などが要因。2カ月連続のプラスで増加基調にある。

 中国は09年8月以降、毎月、過去最高の訪日数を記録している。11月は11.4%増の8万1500人。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の宣伝効果や中国政府による景気刺激策の効果が要因とみられる。

 この他、VJC重点市場で前年同月の実績を上回ったのは、シンガポール(8.4%増の1万9900人)、タイ(17.4%増の1万4300人)、米国(3.1%増の5万7800人)。

 反対に、前年同月を下回ったのは、台湾(8.8%減の8万5300人)、香港(10.0%減の3万2200人)、英国(4.4%減の1万5200人)、カナダ(3.5%減の1万2300人)、ドイツ(9.2%減の1万400人)、フランス(9.0%減の1万200人)。

 主要市場の台湾は、15カ月連続の減少となった。航空機の便数・座席数の減少、中国旅行の需要拡大なども影響している。しかし、前月まで2ケタだった下げ幅は、11月には1ケタに縮まった。

 一方の出国日本人数は、0.7%増の127万3千人で4カ月連続の増加。円高の進行が海外旅行の需要を押し上げた。

 
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