観光庁発足を記念し、「観光立国推進リレーシンポジウムin関西」が10月20日、大阪市の大阪国際会議場で開かれた。観光庁による観光立国実現に向けた取り組みを紹介するとともに、さらなるインバウンド振興に向けた方策、関西地域における観光振興の方向性や観光庁への期待などについて、有識者らによる講演、パネルディスカッションが行われた。主催は、国土交通省近畿運輸局、近畿地方整備局、関西広域機構、日本観光協会。
基調講演では、本保芳明観光庁長官が「観光立国の意義と国の取り組みについて」で講演。本保長官は「観光は関係者が多く、主として民間が中心的な役割で働くなか初めて全体像が出来上がる。その中で同じ問題意識を共有し、主体的に問題解決を探ることが大切」とし、「そのための発信、調整をしていくのが我々の責務」と語った。
パネルディスカッションでは、堀井良殷・大阪21世紀協会理事長がコーディネーターを務め、荒井正吾・奈良県知事、門川大作・京都市長、宮本一・関西国際空港代表取締役会長、西村肇・国際観光旅館連盟近畿支部長(西村屋社長)、本保長官が、「関西の観光振興と観光庁への期待」をテーマに幅広い内容について意見を交わした。
各氏からは「関西エリアは資源が多く、水都大阪2009や平城遷都1300年祭などイベントが続き、盛り上がるタイミング。人も流れも基盤もあるのが関西」(本保長官)、「平城遷都1300年記念事業を一過性にせず、奈良を観光地として大きくしたい」(荒井奈良県知事)、「日本に京都があってよかったと実感してもらえるよう景観を大事にしていきたい」(門川京都市長)、「ウエルカムボードや深夜サービスの拡充など空港施設やCSの向上に取り組み、関西の玄関口として外国人旅客を迎えたい」(宮本関空会長)、「城崎温泉にも外国人観光客が増え、外湯など湯文化を楽しんでいる」(西村国観連近畿支部長)などの意見が出た。
パネルディスカッションの様子