観光庁、概算要求額は今年度の4倍

  • 2009年10月24日

 観光庁は、2010年度観光予算の概算要求で、今年度当初予算の4.1倍、256億5千万円を要求した。削減が求められる予算編成の中、異例の伸び率。大幅に増額したのは、外国人旅行者の誘致目標を積極的に見直し、2019年に2500万人、将来的に3千万人という新たな目標を実現するためだ。外客の誘致や受け入れ整備などに充てる「訪日外国人3千万人プログラム」に今年度相当予算の約3.6倍にあたる113億7千万円を計上。さらに、観光圏への補助金を中心とする「観光を核とした地域の再生・活性化」に約17.3倍の108億4千万円を要求、地域の観光地づくりや産業振興を重視した。

 今年8月に前政権下で編成した概算要求をゼロベースで見直した。観光予算について前原誠司国土交通相は15日の記者会見で、外客誘致の新たな数値目標を説明した上で、「観光立国を本気で推進する。その初年度として4倍増の予算を要求した」と述べた。就任以来、強調してきた観光政策重視の姿勢を反映させた概算要求だ。

 観光庁は概算要求にあたり、外国人旅行者3千万人の誘致を目指す「訪日外国人3千万人プログラム」を打ち出した。今後10年間の目標として2013年に1500万人、2016年に2千万人、2019年に2500万人を掲げた。

 2019年に向けて3年ごとに課題を検証、施策の改善を図りつつ目標の達成を目指す。3千万人実現への具体策は、近く発足する国交省の成長戦略会議で議論し、年内にまとめる予定だ。

重点市場に3国追加 海外宣伝拠点を拡充
 「外国人3千万人プログラム」の要求額のうち、訪日旅行促進(ビジット・ジャパン)事業が101億2千万円を占める。重点市場に対するプロモーションを強化。従来、予算の制約から実施できなかった継続的なプロモーションを戦略的に推進する。重点市場は、インド、ロシア、マレーシアを追加し、15市場に増やす。

 日本政府観光局(JNTO)などが担う海外のプロモーション拠点も現在の14カ所から21カ所に増やす。市場拡大が見込まれる中国では、現在の北京、上海、広州(現在は臨時拠点)に加えて、瀋陽、大連、青島に開設。訪日外客の中で最大シェアを占める韓国はプサンを追加。インド、ロシア、マレーシアにも新設する。

 「訪日外国人3千万人プログラム」ではこのほかに、受け入れ環境整備事業に3億5千万円。このうち受け入れ環境づくり支援事業として2億円を使う。外国語による観光案内や標識の充実、地方空港や港湾での入国管理の円滑化などに向けて、地域を選定し、計画づくりや実証事業を支援していく。

観光圏でハード事業 補助率も引き上げ
 「観光を核とした地域の再生・活性化」の柱は、魅力ある観光地づくりを促進する観光圏整備事業で107億7千万円を充てる。今年度当初予算の18.5倍という伸び率は、鳩山首相が前原国交相に指示した「地域が主役の観光立国の推進」に基づく予算配分とみられる。

 観光圏整備事業の増額は、観光プログラムの開発や2次交通の整備など従来のソフト事業に加え、景観の整備や観光案内施設の整備など小規模なハード事業を支援できるようにしたため。内訳として90億円相当をハード事業分に見込む。

 観光圏のハード事業は、ソフト事業と同様に、地域が申請する観光圏整備実施計画に基づいて支援する。道路整備など大型事業には使えないが、温泉街に残る廃業旅館の撤去、歴史的建造物の復元などにも活用できるようにする。

 さらにハード、ソフトともに補助率を従来の4割から6割に引き上げる。補助期間も現行は原則2カ年だが、来年度以降は原則3カ年に延長する。観光圏は、現在30エリアが国の認定を受けているが、来年度も新規エリアの募集を行う。

 観光庁の概算要求の主な内訳は別表の通り。

関連する記事

全国旅行業協会(ANTA)は、9月1日に全国9地域11会場で実施した令和元年度「国内旅行業務取扱管理者試験」の結果を10月23日に発表した。合格者数は5645人で、合格率…

続きを読む

日本観光振興協会と日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)の主催する世界最大級の旅の祭典「ツーリズムEXPOジャパン2019大阪・関西」が10月24~27日…

続きを読む

赤羽一嘉国土交通相は10月29日の会見で、北海道倶知安町で行われたG20(主要20カ国・地域)観光大臣会合(10月25、26日)の成果について「各国が共有する課題である持…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み  ベストセレクション

 メルマガ申し込み

注目のコンテンツ

第32回「にっぽんの温泉100選」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位下呂

2018年度「5つ星の宿」発表!(2018年12月15日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?

第32回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2019年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「見所・体験の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

18年度「部門別・旅館ホテル100選」(2019年1月12日号発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

観光経済新聞の人材紹介

  • 旅館・ホテルの人材不足のお悩み無料相談はこちら
Visit Us On FacebookVisit Us On TwitterVisit Us On InstagramVisit Us On Youtube