観光庁は第5回観光庁長官表彰の受賞者を決定し、1日、国土交通省の会議室で開いた式典で表彰状などを手渡した。国内観光やインバウンドの振興に貢献したとして、三陸鉄道(本社・岩手県宮古市)、マレーシアのアップル・バケーションズ&コンベンションズ社、熊本県のイメージキャラクター「くまモン」など7団体の業績を称えた。
国内観光の振興では三陸鉄道、巻機山景観保全ボランティアーズの2団体を表彰。三陸鉄道は東日本大震災後、早期に復興事業に取り組むとともに、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」にも登場した「お座敷列車北三陸号」を運行し話題を集めた。東北全体のシンボル的存在として震災復興、観光振興に尽力した。
巻機山景観保全ボランティアーズは、山岳保全ボランティアの先駆けとして、新潟と群馬の県境に位置する日本百名山の一つ、巻機山で登山道の整備などに取り組み、雪田草原をよみがえらせるなど魅力ある観光地づくりに貢献した。
国際観光の振興で表彰したアップル・バケーションズ&コンベンションズ社は、震災時に訪日総客数の早期回復に尽力するとともに、マレーシアからの訪日総客数でトップの企業として、品質の高い旅行商品を提供。同国での北海道ブームの火付け役にもなった。
国内・国際観光の両方への振興で表彰したのは、くまモン、阿波おどり振興協会、徳島県阿波踊り協会、岸和田市(大阪府)の4団体。
くまモンは、人気キャラクターとして全国的な知名度を誇り、海外でのPR活動にも進出するなど、国内外からの九州への観光客誘致に貢献。
阿波おどり振興協会と徳島県阿波踊り協会は、阿波おどりの発展伝承と観光振興に取り組み、ビジット・ジャパン事業の海外向けのプロモーションビデオの制作にも協力した。
岸和田市は、国内外に放送されたNHKの連続ドラマ「カーネーション」の舞台にもなり、町ぐるみで国内外からの観光客を受け入れ、観光振興と地域活性化に成果を上げた。