広島、山口、島根各県の中山間地域にある観光関連施設が、誘客促進や地域活性化に向けて連携を深めている。10月1日に協力、連携を目的とした団体「西中国山地観光施設等連絡協議会」を創設。共同で情報発信や観光資源の掘り起こし、旅行商品の開発などに取り組む考えだ。
協議会には、同地域の宿泊施設のほか、日帰り入浴施設や観光立ち寄り施設14施設が名を連ねている。
今年度は11月中旬をメドに、情報発信のためのホームページの開設や、来年放映のNHK大河ドラマ「平清盛」に向けた関連地域素材の発掘と旅行商品の開発、マスコミや旅行会社へのセールスなどを手掛ける予定だ。
協議会の設立は、昨年度に広島市が開いた情報交換会がきっかけ。協議会に参加する5宿泊施設が共同で、日帰り入浴と食事を組み合わせたプランをつくるなどして誘客を図り、手ごたえを感じてきた。
「1施設では難しい広告宣伝も、各施設の広報手段を活用しあえば広範囲で行える。また団体になれば、行政からのアドバイスも受けやすく、旅行会社などへのアピールもしやすい」と吉本辰夫会長(山口県岩国市の錦パレスホテル支配人)。
同地域は、各県の最も高い山を持つという地理的特徴もあって広島を中心とした中国地方の各地や北九州方面、関西方面などから豊かな自然や温泉を目当てにシニア層が集まるものの、各施設では周辺観光地として錦帯橋(岩国市)や原爆ドーム(広島市)などを紹介するにとどまっている。
今後は農業などの異業種や地元NPOなどとの連携も図りながら足元の観光資源の発掘、整備を進めていく。