第47回衆院選は12月14日投開票され、自民党は291議席を獲得した。連立を組む公明党と合わせ326議席となり、公示前と同じ議席数を確保。法案の再可決や憲法改正の発議に必要な、3分の2に当たる317議席を超え、安倍晋三首相(自民党総裁)は安定政権を維持したことになる。観光業界からは「観光立国実現に今まで以上に力を入れてほしい」と期待の声が上がっている。
投票率は52.66%で、戦後最低だった前回、2012年の選挙の59.32%を下回り、戦後で最も低くなった。
首相は15日の会見で、アべノミクスによる経済最優先の政権運営を続ける意向を表明、「3本の矢の経済政策をさらに強く大胆に実施していく」と改めて強調した。
アベノミクスの前進に欠かせないのが「第3の矢」といわれる成長戦略の実行だ。観光立国はこの成長戦略の重要な柱の一つだけに、観光業界も行方を注目している。
業界からは安倍政権の観光施策を評価する声がある一方、「中身が伴っているかというとまだそうでもない。観光予算をもっと増やすなど、具体的な例を示してほしい」と指摘する向きもある。「観光立国道半ば」の声にどうこたえるのか、注目される。
公示前の勢力をほぼ維持し、笑顔で当選のバラをつける安倍首相ら(12月14日夜、自民党本部)