
6月27日に表彰式が行われた(観光庁で)
“旅離れ”が指摘される現代の若者に旅行に出てもらいたい—。観光庁は、若者旅行の活性化につなげる地域や企業の優れた取り組みを表彰する制度をつくり、第1回の受賞者をこのほど発表した。長官賞として、ソーシャルメディアで旅の企画を募るウェブサービスを運営しているtrippiece(トリッピース)を表彰。このほか奨励賞などの各賞を選んだ。
「今しかできない旅がある」をキャッチフレーズに昨年12月から今年2月にかけて取り組みを公募した。応募は全国から61件。有識者をメンバーとする審査委員会(委員長・廻洋子淑徳大学経営学部教授)で選考した。
長官賞のトリッピースは、フェイスブックを利用し、登録者に旅行企画のイメージを投稿してもらう。例えば、「アマゾン川でピンクのイルカと遊ぶ」「ラオスで象使いになる」などの発案に対し、共感した人がともにプランを作成していく。ツアー化は旅行会社に依頼している。
トリッピースについて審査委員会は「若者の漠然とした旅行ニーズを具現化し、ビジネスベースに乗せる仕組みを構築した」「多数の若者を現に旅行に送り出している」と高く評価した。
奨励賞には、全国各地のスキー場に呼びかけて19歳のリフト料金を無料にする「雪マジ19〜SNOW MAGIC〜」を主導したリクルートライフスタイル、茨城県大洗町を舞台とするアニメ「ガールズ&パンツァー」を活用した観光振興に取り組んだOaraiクリエイティブマネジメント、世界一周に関するイベントを手がける世界一周団体TABIPROの3団体を選んだ。
奨励賞のうち、Oaraiクリエイティブマネジメントの取り組みは、アニメ作品の企画段階から地域関係者が参加した点を高く評価。地域振興につながる事業を手がける同社の常盤佳心彦氏は「作品をきっかけに大洗を訪れる若者が増えた。旅行者と住民の間にはコミュニケーションも生まれている」と話した。
このほか地域ごとのブロック賞に4団体。福島の大学生が主体となって福島の良さを伝えるスタディーツアーを実施したスタ☆ふくプロジェクト、独身男性グループをターゲットに滞在プランに工夫をこらした「はっちゃけ野郎旅」を企画した群馬県のみなかみ町観光協会、お笑い芸人に移住してもらいイベントなどを活性化させた愛知県の犬山市観光協会、大学生に中心になってもらい有馬温泉でイベントなどを行う「ゆけむり大学」を展開している有馬温泉観光協会が受賞した。

6月27日に表彰式が行われた(観光庁で)