群馬県の水上温泉があるみなかみ町は、温泉施設などの観光資源を活用したユニークなイベント「みなかみオンパク」を20日に開始した。みなかみオンパクとは、みなかみ温泉泊覧会の略で、地元の人にみなかみ町について、もっと知ってもらい、地域の活気とつながりを再生するために、昨年から始まったまちづくりイベント。地元の人がみなかみ町を好きになるように、みなかみ町の人がみなかみ町の人を案内する、小さな体験型プログラムを集めた。
みなかみオンパクの誕生の背景には2005年の町村合併があった。月夜野、水上、新治の旧3町村が合併したみなかみ町は、合併から数年経ったが、住民は合併相手の観光資源などを詳しく知らずにいた。互いの町の魅力を体験型プログラムを通して知ってもらおうと、町観光協会や商工会などが中心となってみなかみオンパクを立ち上げた。
昨年は28のプログラムに約260人が参加。参加者全体の6割がみなかみ町の住民だった。「みなかみは観光地なので、観光客を誘致するために首都圏ばかりを見ていた。昨年オンパクを開催して、地元のよいところを再発見できたと、参加者やプログラムを開催した側からも高い評価を得た。もっとやりたい、刺激を受けたなど反響が大きかった」とみなかみ町観光協会の施井真希子さん。
今年は一般からもプログラムを公募した。10月21日まで、37の体験型プログラムを実施する。
初日はオープニングセレモニーの後、参加者は浴衣に着替えて「温泉スリッパ卓球みなかみ大会」を行う。
JR後閑駅から、甲冑 かっちゅうをまとってSLに乗りこみ、乗客をびっくりさせるプログラム「いざ、出陣SLを攻め落とせ」や「みなかみで温泉ソムリエになろう」、「上牧温泉病院プチ人間ドック&里山ウォーキング&温泉」、子供限定「温泉旅館のおしごと体験」、「飲もう、食べよう、夜の水上温泉はしご歩きツアー(スナックナイト)」、「樹木気功と温泉ヨガ」などさまざまなプログラムを用意した。すでに定員に達したものもある。
「オンパクだと、観光客を誘致するために採算など考えて実行できなかった企画に気軽にチャレンジできる。住民からもどんどんアイデアが出てくる」と施井さん。みなかみ町はまずは地元の人に足を運んでもらい、地元の魅力を知って、みなかみ町をもっと好きになってもらいたい考えだ。
昨年の「名胡桃城の歴史を守るプログラム」で甲冑を着た参加者