全国産業観光推進協議会(事務局・日本観光協会)はこのほど、第4回「産業観光まちづくり大賞」の金賞に群馬県桐生市を選んだと発表した。表彰式は2月17日、兵庫県姫路市で開く「全国産業観光フォーラムin姫路」の開会式で行う。
桐生は繊維産業とともに発展。今でも織物工場や織物に関連したまち並みを見ることができ、代表的な「のこぎり型の屋根」の工場が200棟以上も残っている。09年度の観光客数は約384万3千人、産業観光関係客は約25万人に上る。
のこぎり屋根を始めとする豊富な近代化遺産を美容室やベーカリー、アトリエなどに再活用し、新たな産業創造拠点とした点が高く評価された
。
また、織物という伝統産業の持続力と繊維分野をすそ野とする産業分野の広さと厚みを生かし、体験プログラムのメニュー開発や多彩なイベントを開催、「織物を観光客に触れさせ、身近なものに確立させてきた」という。
銀賞には岐阜県大垣市の大垣商工会議所を選んだ。07年に地元企業など約60社の協力を得て「交流産業戦略推進会議」を設立。各産業分野の資源を活用した事業を推進している。09年には暮らし、食と自然などをテーマにしたモデルルートを設定した。
「同会議の設立により60社から成る企業の受け入れ態勢が整い、さらに地元大学と連携し、産官学民一体となった交流産業の創出、支援を行っている。それにより、各方面とのネットワーク化が図られているのが評価できる」としている。
奨励賞は東京都昭島市と岡山県の真庭観光連盟が受賞した。
のこぎり屋根工場を活用したベーカリーカフェ(桐生市)