東日本大震災で被災した三陸海岸が新しい国立公園「三陸復興国立公園」として24日、環境省から指定された。新たに国立公園のエリアに編入された青森県八戸市や階上町はしかみちょうでは25日、指定を祝う式典やイベントが開かれ、地元観光関係者からは国立公園指定で観光客増加が期待できると歓迎する声が聞かれた。
三陸復興国立公園は、旧陸中海岸国立公園(岩手、宮城県)に、ウミネコの繁殖地として知られる青森県八戸市蕪かぶ島から同県階上町に至る海岸と階上岳を含む「種差たねさし海岸階上岳県立自然公園」を編入した。
新たに編入された八戸市では25日、市公民館で記念式典が開かれた。さらに、同市の種差天然芝生地と階上町の階上岳大開平で同日、公園名称標識の除幕式、同市の八戸ポータルミュージアムはっちでは、観光PRや地元特産品販売などのイベント「おんでやぁんせ三陸復興国立公園」も開かれた。
同省は、三陸の自然や文化に触れるため、今後青森県と福島県を結ぶ長距離遊歩道の整備を進めるほか、津波について学ぶことができるよう各種施設も整備する。さらに東北の太平洋岸の国定公園や県立公園も、三陸復興国立公園に編入することを検討する。公園名称は復興状況の進み具合をみて、新名称にするかどうか再検討する方針。