熊本県はこのほど、2016年の観光統計を公表した。熊本地震の発生を受けて、観光客総数は前年比18・7%減の4854万5千人。観光消費額も同15・0%減の2564億9700万円だった。
観光客総数の内訳は、宿泊客数が6・0%減の677万2千人、日帰り客数が20・5%減の4177万3千人。宿泊客数のうち外国人は24・5%減の48万6千人となった。教育旅行の宿泊者数は3万5千人で、前年に比べて67・5%減だった。
県によると、1~3月は外国人観光客を中心に好調な入り込みだったが、4月に熊本地震が発生し、被害を受けて休業する観光施設、宿泊施設が出たほか、風評被害とみられる宿泊予約のキャンセル、修学旅行のキャンセルが多く発生した。
夏季、秋季の観光シーズンは、国の支援による「九州ふっこう割」などの施策で、国内客の旅行需要が徐々に回復した。宿泊では、熊本地震の復興関係者の受け入れで客数が増加した地域がある。外国人観光客は、国際定期便の運休、地震への警戒感があり、十分に回復しなかった。
主な地域の観光客総数は、阿蘇地域が37・7%減の987万6千人(うち宿泊31・6%減の134万人)、菊池地域が2・6%減の701万人(うち宿泊13・9%増の64万人)、荒尾・玉名地域が14・8%減の560万2千人(うち宿泊17・8%増の46万人)、熊本市が18・0%減の460万人(うち宿泊4・0%減の253万人)、天草地域が3・6%減の442万6千人(うち宿泊11・5%増の60万2千人)など。
観光消費額の内訳は、宿泊客分が2・9%減の1092億1千万円、日帰り客分が22・2%減の1472億9千万円。観光客1人当たりの消費額は、宿泊客が3・3%増の1万6128円、日帰り客が2・2%減の3526円となった。