環境省は3日までに、2017年度の「温泉利用状況」をまとめた。それによると、18年3月末現在の温泉地数(宿泊施設のある場所)は全国で2983カ所となり、前年同月時点と比べ55カ所減っていることが分かった。
源泉総数は2万7297カ所で、124カ所減。総数のうち、利用源泉数は1万7207カ所。自噴は4172カ所にすぎないが、前年度と比べると55カ所増。対して動力は65カ所減の1万3035カ所。
未利用源泉数は1万90カ所で、うち自噴は96カ所減の3453カ所となっている。温度別源泉数をみると、最も多いのは42度以上で、1万2414カ所。25度以上42度未満は6948カ所、25度未満は4049カ所ある。
湧出量は自噴が毎分67万9732リットル、動力は186万7081リットル。自噴、動力ともに減っており、特に動力は約1万3千リットルと減少幅が大きい。
宿泊施設数は148軒減の1万2860軒だったが、延べ宿泊利用人員は約44万人増の1億3057万人。また、国民保養温泉地の延べ宿泊利用人員は約35万人増の922万人。温泉利用の公衆浴場数は37カ所増え、7935カ所となっている。
温泉地数を都道府県別にみると、最も多いのは北海道の244カ所。次いで、長野県(215カ所)、新潟県(145カ所)、福島県(136カ所)、青森県(129カ所)の順で、東日本が上位を占めている。最も少ないのは沖縄県の9カ所だった。
一方、源泉数では様相が変わる。大分県が4418カ所と断トツで、2位の鹿児島県の2753カ所を大きく上回る。以下、静岡県(2249カ所)、北海道(2139カ所)、熊本県(1346カ所)、青森県(1071カ所)と続く。最も少ないのは温泉地数と同様沖縄県で、17カ所となっている。
利用源泉数のうち、自噴の割合が大きいのは大分県(718カ所)、北海道(414カ所)、鹿児島県(320カ所)など。自噴と動力を合わせた湧出量が最も多かったのも大分県で、毎分約28万リットルだった。