栃木県大田原市は13日、グリーンツーリズム事業を行う同市設立の旅行会社「大田原ツーリズム」が23日に開業すると発表した。当初は市が100%、3千万円を出資し、将来は民間や農協などと合わせて資本金1億円の第3セクターとして運営する見込み。同県内で自治体が旅行会社を設立するのは初めて。
市政策推進課の説明によると、市外からの旅行客を受け入れることで、農家のモチベーションを向上させて収入を増やし、地域の経済活性化につなげることが狙い。
会長に永山林(はやし)副市長、社長に農業経営支援会社「ファーム・アンド・ファーム・カンパニー」(宇都宮市)の藤井大介社長が就任する。 本社は市役所に隣接する市総合文化会館内に置く。社員は4人採用する予定。
当面は、市内の農家が都市部の子どもたちを受け入れて農村の自然や文化、歴史を学んでもらう教育旅行の提供が事業の中心になる。農家は宿泊料や体験プログラムの費用を受け取り、新会社は手数料を得る仕組み。初年度の誘客目標は500人、民宿予定農家戸数は最低10戸。
教育旅行事業が軌道に乗ってきた後は、女性の団体旅行や企業の研修旅行、リハビリを目的とした旅行などにも対応する予定。
8月上旬には早速、留学生数十人を複数の農家が受け入れる民泊を予定している。