朝日旅行協定旅館などでつくる朝日旅行協力会(佐藤好億会長=福島県大丸あすなろ荘、529会員)は11日、東京都の浅草ビューホテルで第42回通常総会を開いた。約100人の会員が参加。09年度の事業として、団体・小グループ向けの宿泊パック商品の造成やキャンペーン実施のための企画委員会の立ち上げを検討することなどを決めた。
冒頭あいさつした佐藤会長は、「今年の経営環境も厳しさを増すが、どのように次の戦略を打っていくか熟考し、足元がぶれないようにしなければならない」と指摘。また朝日旅行のJTBグループ入りに触れ、「JTBの考え方や方針についてはまだまだ(われわれの)勉強不足もあり、どのように対応することになるかは分からない」との考えを示す一方で、「JTBとわれわれ協力会は『環境』や『ホスピタリティ』を重視する姿勢などで共通しており、一緒に取り組んでいけるのではないか」とも話し、提携への一定の理解と期待感を示した。
今年度の事業計画としては、例年同様「経営者研修会」や「女将と客室係研修会」、部会ごとの研修会を開催するほか、朝日新聞販売店などを対象とした小グループ向け宿泊パック商品の造成やキャンペーンの企画を行うための「企画委員会」の設置を検討する。
また役員改選は、朝日旅行のJTBグループ入りに伴う各種対応なども考慮し、佐藤会長はじめ役員の大半が続投する形となった。
このほか総会では、堀口昭朝日旅行社長からJTBと朝日新聞の提携について説明があったほか、4月1日付で朝日旅行役員陣に名を連ねることになるJTB相談役の井沢啓、池田浩両氏があいさつ。井沢氏は「朝日旅行は、JTBグループ内で特に文化的志向の強いシニア層のマーケット強化という役割を果たしていくことが求められる。厳しい時代だが、会員の提案があれば新しい取り組みも進めたい。あくまでも朝日旅行の主体性は堅持しつつ、両社の強みを生かしていく」。池田氏は「会員の中には『朝日旅行がJTB化してしまうのではないか』などと危惧している人もいるだろうが、契約関係などは従来通りだ。会員施設は、経営形態も会社への考え方も環境もさまざまだが、その個性こそが強み。従来の良さを生かしつつ、強みを伸ばせるような取り組みをしていきたい」と述べた。
朝日旅行協力会の総会