福井県が東京・南青山に開設しているアンテナショップ「ふくい南青山291」に隣接する店舗に、福井・三国温泉の老舗料理旅館「望洋楼」が料理店を出店した。店舗名は「ふくい、望洋楼」で20日にオープン。福井の旬の食材を使った料理を楽しんでもらい、県のアンテナショップと連携して福井の魅力を発信する。
アンテナショップの隣接店舗には、以前も福井県内の旅館が料理店を出店していたが、テナント契約の期間終了に伴って県が新たに出店者を公募。明治の創業以来、松平春嶽公をはじめ多くの著名人にも愛されてきた望洋楼(10室)の出店が決まった。
店舗=写真=は個室2室を含む64席で面積が50坪。旬の福井の海、山、野の幸を使った料理、福井の地酒を提供する。店舗コンセプトは「美味しさまるごとふくい」。内装にも福井の古民家で使われていた柱や梁、越前瓦、越前和紙などを使っている。
シーズンには望洋楼の宿泊客に愛され、皇室にも献上される三国産・越前産の越前ガニ料理を提供するほか、地元で水揚げされる甘エビやサザエ、最上級の若狭牛などを使った料理を出す。郷土食の手打ち越前おろしそばも用意する。ランチは1千〜2500円、ディナーは6千〜8千円ほどの客単価を想定している。
12日に開いた店舗の内覧会で望洋楼の刀根瑛昌社長は「福井の食材は海、山、野の幸、どれをとってもおいしいものばかり。これを東京、関東の方に味わってもらい、県とともに福井をPRしたい」と語った。
県産業労働部産業政策課の前田洋一課長も「アンテナショップと相互に売り上げをアップさせると同時に、福井県のイメージアップにつなげ、福井県への観光客も増加させたい」と述べた。