日観振、仙台で東北観光シンポジウム


パネル討論では東北の今後についてパネリストが持論を展開

講演やパネル討論 300人超える参加者

 日本観光振興協会は2月10日、仙台市内のホテルで「観光立国タウンミーティング 東北観光シンポジウム」を開いた。今年の東京五輪・パラリンピック、来年の東北デスティネーションキャンペーン(DC)の追い風をどう東北観光の復興に生かすか、基調講演やパネル討論を通して探った。

 東北観光推進機構や日本旅行業協会、全国旅行業協会など共催。300人を超える関係者が集まった。

 当日は東京都市大特別教授の涌井史郎氏が基調講演、東北観光推進機構会長の小縣方樹氏が基調報告をした。

 涌井氏は学びの観光を作り出す必要性を指摘。震災伝承施設が「観光の拠点、ソースになる」とした上で、「施設をネットワーク化し、国民に伝えていくべきだ」と述べた。

 また、小縣氏は東北経済連合会を中心に東北の官民が結集、五輪開催に合わせ、JR山手線の新駅「高輪ゲートウェイ」(3月14日開業)前で、東北のPRイベント、東北ハウス(7月18日~8月9日)が開かれることを明らかにした。

 パネル討論のパネリストは佐浦弘一(佐浦社長)、坂巻伸昭(東武トップツアーズ社長)、阪本未来子(JR東日本常務執行役員)、牧野友衛(トリップアドバイザー社長)の各氏。コーディネーターは日観振の久保田穣副理事長。

 牧野氏は同社のデータから「台湾からの旅行者が多いのが東北の特徴で、タイ、マレーシアなども全国平均より高い。半面、少ないのが豪州からの旅行者だ。どう東北に引っ張ってくるのかが今後を考える鍵となる」と述べた。

 坂巻氏は旅行会社として、地域と一体となって地域に金を落とす仕組み作りの重要性を指摘。もう1泊してもらうための夜のイベントの充実、歩いて地域を回ってもらうスロータイムツーリズムの推進などを挙げた。また、ブランド力を高めることも重要だとし、具体例として「南三陸ねぎ応援プロジェクト」の取り組みを挙げた。

 佐浦氏は酒蔵ツーリズムの普及による観光振興について述べた。宮城県塩釜市での酒蔵ツーリズムでは酒蔵訪問と合わせて、塩釜神社の参拝、仲卸市場での買い物やマイ海鮮丼の楽しみ、松島湾巡りなどで集客していることを報告した。

 坂本氏は東北DCにおけるJR東の対応を紹介。(1)周遊列車運行や復興素材の訴求など観光復興の取り組み(2)MaaS事業、キャッシュレスの推進(3)東北エリア内空港からの鉄道利用促進などインバウンド誘客の強化―などに取り組み、「オール東北の観点で、地域や事業などのこれまでの枠組みを超えた連携を実現する」と力を込めた。

パネル討論では東北の今後についてパネリストが持論を展開

 
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