日本旅行トムソーヤクラブの会報が通算100号


創刊100号を手にするトムソーヤクラブ事務局の菱井さん

創刊100号を手にするトムソーヤクラブ事務局の菱井さん

 日本旅行の子ども向け会員組織「トムソーヤクラブ」の会報誌「トムソーヤクラブ通信」が今春号で通算100号を迎えた。

 トムソーヤクラブは「次世代を担う子どもたちが多くの友達と自然と親しみ、自主性のある、健康で愛情に満ちた人へと成長する」ための活動を行うために1987年に設立された会員組織。毎年夏休みと冬休み、春休みを中心に、全国で自然体験ツアーを実施している。会員は小、中学生を対象に、現在約3千人。

 会報はクラブの年間の活動や、子どもの冒険心と好奇心を引き出すための情報を掲載している。発行は年4回。毎回1万部を発行し、会員宛てに発送するほか、日本旅行グループ店頭で配布している。

 100号記念号では、「東京のおもしろスゴいを探しに行こう! タウンアドベンチャーin東京探検記」と題して、東京の観光地やあまり知られていない場所を子どもたちと探検した様子を特集している。

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 トムソーヤクラブ事務局の菱井優介さんに、クラブの歴史や今後の展開を聞いた。

──どんなクラブですか。
 「1985年、日本旅行が創業80周年記念事業として子どもの1人旅を応援しようというキャンペーンを行いました。これを一過性ではなく、継続した取り組みにできないかと構想が上がり、87年に今の組織が設立されました。事務局ができて24年。来年春、25年の節目を迎えます」

──事務局体制は。
 「東京の日本旅行本社に事務局があり、私が専属で対応しています。関西、中部、九州にも事務局があり、そちらの担当はほかの業務と兼任ですが、それぞれ地元発着のツアーの造成などを行っています」

──菱井さんの主な仕事は。
 「会員の情報管理や会報の作成、ツアーの全体管理、ツアーの現場で子どもたちの世話をする『トムソーヤクラブリーダー』の育成などを行っています。リーダーは教員を目指す大学生を中心に30人強が登録しており、研修を通じて安全管理をはじめ、子どもたちへの接し方や自然体験活動に必要なスキルを学んでもらっています」

──ツアーの内容は。
 「夏は高原や川、海などで体験活動、冬はスキー教室などを行っています。学校の休みに合わせて2泊3日や3泊4日などで設定しています。場所は群馬県の南牧村、山梨県の白州、長野県の木曽上松など、毎年同じところを設定していますが、もっと面白いことはできないかと、少しずつ内容を変えて行っています。木曽上松では、森林鉄道でモーターカーの運転など新しいことにも挑戦しています。飛騨高山では今年から親子で行くコースを設定しました」

──どんな子どもが参加していますか。
 「初めは1人参加が多いですね。いろいろな友達を作りたいからと、1人で参加する子どもが結構います。年に何回も来るリピーターも3割ぐらいいます。リピーターが次に友達や兄弟を連れて来るという形で、口コミで集まったり、インターネットやパンフレット、会報を見て集まったりしています」

──現場でのエピソードは。
 「学校の友達2人で参加した小学生の女の子が、普段のうっ憤を持ち出してケンカになったことがありました。その時、リーダーが中に入って仲裁したのですが、いろいろ話していくうちに、他人には自分とは違う価値観があるんだということを認めるようになり、仲直りして帰っていきました。人間関係の形成という面でもクラブは役立っているようです」

──今後どんなクラブにしていきたいですか。
 「今は簡単な体験活動がメインですが、登山や川くだりなど難易度の高い体験を盛り込んだ、ハイクラスのコースも作れればいいと思います。自然に興味を持ってもらい、エコツーリズムや地域の振興にもつながればいいと思います。それから全国規模で展開しているので、例えば関東と九州の子どもたちが一緒に活動したり、話したりするサミットのような場も年に1回ぐらい作っていきたいですね」

創刊100号を手にするトムソーヤクラブ事務局の菱井さん
創刊100号を手にするトムソーヤクラブ事務局の菱井さん
 
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