日本旅行が中期経営計画発表、10年度の連結経常目標は34億に


会見する金井社長

会見する金井社長

 日本旅行の金井耿社長は12月27日、国土交通省で記者会見し、08年度から3カ年の新しい中期経営計画を発表した。「選択と集中」を徹底し、インターネット販売、BTM(ビジネス・トラベル・マネジメント)営業、インバウンド営業など成長分野に経営資源をシフトするとともに、セールス、店頭販売など基幹分野でも大都市圏など成長が見込める市場にシフトを進め、販売と利益を拡大する。計画最終年の10年度にグループ取扱高7253億円(07年度見込み6602億円)、連結経常利益34億円(同23億円)を目指す。

 同社の中期経営計画は03年度から07年度までの5カ年計画「日本旅行イノベーション」に続くもの。今回は前の中計で掲げた企業ビジョン「感動と満足を創出するトラベル・バリュー・クリエイター」を継続。経営目標を「安心感・信頼感No.1の企業グループへ──サスティナビリティの確立をめざして」とした。

 数値目標は取扱高、営業収益に比べ、利益の伸びを高く設定。特に単体の経常利益を07年度見込み比で84.6%増と倍近く増やす計画だ(単体の営業収益目標は07年度見込み比で9.7%増)。これについて同社の金井社長は「単体の利益率を上げることが今回の大きなテーマ。成長分野と考えるインターネット販売とBTMは直販に近い分野なので、販売費はそれほどかからず利益率を高められる」としている。

 今回初めて「成長分野」「基幹分野」の区分を使った。成長分野の拡大施策として、インターネット販売とBTM営業を担う「ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)事業本部」を新設。インターネット関係では、間際型など商品のラインナップを強化し、販売高を07年度見込み127億円から332億円に増やす計画。インターネット販売に12億5400万円、BTM営業を含めたICT事業本部全体で13億9900万円を3年間に投資する計画だ。

 新しい組織ではこのほか、「特定マーケット営業推進室」を設け、クレジットカード顧客などに向けた取り組みを強化。「地域振興室」を新設し、地域観光の振興事業を拡大する。

 中計ではほかに、セールス、店頭販売など基幹分野の安定成長に向けて、大都市圏など重点エリア・マーケットに人材などの経営資源をシフト。経営基盤のさらなる強化として、「人財」育成の強化やコンプライアンスの徹底を図る。

 前の中計で目指した東証への上場は、時期は明記していないが引き続き図る。前中計では07年度の上場を目指したが、内部統制制度(日本版SOX法)への対応強化を迫られるなどして断念。08年度中の上場については「なるべく早くという気持ちはあるが、07年度の最終赤字がほぼ間違いないため、要件に満たないという事実がある」(金井社長)と慎重な構えをみせた。

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