5月27日にノースウエスト航空(NW)が発表した航空券の発券手数料の廃止について、旅行各社は冷静に受け止めている。各社とも将来的には手数料が完全廃止となるものととらえ、新しいビジネスモデルの開発や、旅行商品への付加価値付けなどに向けた対策を講じる構えだ。
今回のNWの施策について、旅行各社は「将来的には0%になると予期していた」(日本旅行広報室)と口をそろえる。欧米で既に発券手数料を0%とする流れが加速していることによるものだ。しかし、阪神航空を含め、NWなどの取り扱いが多い阪急交通社は、「特に法人営業部門への影響は大きいのでは」(広報担当)と、影響を懸念する。
欧米では航空各社が0%を導入する中、動向が注目されるのが日系航空会社だ。日本航空、全日空とも現段階では手数料改定は考えていないというが、「手数料が(他社との)競争の争点になるのは確か」(日本航空広報部)と見ており、他社の対応次第では手数料の廃止もそう遠い話ではなさそうだ。
日本でも発券手数料0%が主流となった場合を見据え、旅行各社は代替収入として消費者からの手数料徴収の徹底を検討する。JTBでは国際航空券の発券において、以前から消費者から受け取る「手配手数料」を設定しているが、「支店により対応にばらつきがある」(広報室)。KNTも同様の料金を設定しているが、「きちんと収受できているとは言いがたい」(ブランド戦略室)状況で、「0%となった場合、この料金の収受徹底が先決」とする。
消費者から手数料を取る場合には、消費者が納得する明確な料金体系の提示とサービスの提供が求められることから、JTBや阪急などは付加価値をつけた販売、消費者に満足を与えられるようなサービスの提供を検討する。日本旅行も新たなビジネスモデルの開発を進める構えだ。