KNTの文化事業部門の旅の文化研究所(神崎宣武所長)は12日、東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモントで「江戸文化フォーラム」を開いた。一般客など約400人が参加し、講演を聞いたほか、落語を鑑賞するなどして、現代に残る江戸文化について見識を深めた。
同研究所はこれまでも、伊勢参りや焼酎をテーマにしたフォーラムを開催している。江戸をテーマにしたフォーラムは2回目。8月下旬から参加者募集を始めたが、参加費無料ということもあってか申し込みが殺到。2週間弱で当初予定の200人に達したため、定員を大幅に増やしたという。
フォーラムでは、作家でドイツ文学者の池内紀(おさむ)氏が「東京の中の江戸を散策する」をテーマに、永井荷風や池波正太郎ら東京に縁の深い作家の作品をもとに講演。参加者は池内氏のユーモアを交えた話に時折笑い声をあげながらも、身近に残る江戸ゆかりの場所や地名の由来などの話に真剣に聞き入っていた。
このほか落語家の桂南喬氏による落語「七段目」の上演=写真=や、江戸研究家の今井金吾氏、作家の加門七海氏、ボン大学近現代日本研究センター長のヨーゼフ・クライナー氏をパネリストに迎えての、「江戸の“粋”と“華”」をテーマにしたシンポジウムを行った。