国土交通省水管理・国土保全局は11月30日、水源地や水文化の保全地域など水と里に関わる観光資源を活用した旅行企画の魅力を競う今年度の「水の里の旅コンテンスト」の受賞企画を決定した。一般部門では、広島市佐伯区の湯来町で山や川の重要性、命の大切さを学ぶツアーを企画したNPO法人湯来観光地域づくり公社を最優秀賞に選んだ。学生部門では、山口県周南市の水源地域の暮らしに触れるツアーを企画した比治山大学観光振興ゼミを最優秀賞に選出した。
2010年度から開催しているコンテスト。旅の企画は、企画段階、すでに催行済みなど実施の状況は問わない。観光庁や観光・旅行業団体の担当者、大学教授などが審査委員が務め、九つの受賞企画を決定した。
一般部門で最優秀賞に選ばれた湯来観光地域づくり公社のツアー名は「広島市の水瓶、湯来町で感じる水の循環 シャワークライミングと食で水の大切さを知る1泊2日のツアー」。清流と自然が残る広島市内の温泉街、湯来町でアウトドアアクティビティ体験などを提供する。同時に、特別賞のインバウンド賞にも選ばれた。
審査委員の講評では、「人気のシャワークライミングに地元料理体験、古民家宿泊、露天風呂入浴を追加して、日本らしいユニークな宿泊プランに造成されている。また、自然系のコンテンツは、ウィズ・アフターコロナにおいて外国人旅行者に訴求力が高まると期待される」などと高く評価された。
学生部門の最優秀賞、比治山大学観光振興ゼミのツアー名は、「島地川の水源地域で心躍る元気はつらつ!ツアー~遊び・食・交流を通して活力みなぎる『人と水の物語』~」。周南市の和田地区、鹿野地区を舞台にした子どもが主役の親子向けの交流ツアー。
講評では「企画趣旨がしっかりしており、ターゲットが水源地と下流それぞれの親子という点で、将来にわたって地域活性化につながるような交流ができる内容で、旅行の醍醐味(だいごみ)も存分に発揮している」などの評価を受けた。
他の受賞結果は次の通り(受賞者、ツアー名、旅行地域)。
【一般部門】優秀賞/特別賞「絶景賞」=平田観光「神々のお膝元 浦内川流域に生きる人々と水の歴史」(沖縄県・西表島)▽奨励賞=エコ・グリーンツーリズム水の里しらやま「コウノトリの里で出会う オリジナルの酒器で味わう『かたかた』の酒one more time しらやま」(福井県・越前市しらやま地区)
【学生部門】優秀賞=東洋大学国際観光学部国際観光学科森下ゼミ「AT旅~五感で感じる北東北~温故知新~北東北の歴史などから過去、現在、未来を見据えよう~」(青森県、秋田県、岩手県)▽奨励賞=山形県立村山産業高等学校ビジネス部 「クールヤマガタ、芭蕉が愛した山形の水郷を体験」(山形県・月山を中心とした村山地域)
【特別賞「絶景賞」】南丹市「水の里の原点から大海を望む”欲張り旅”」(京都府・南丹市)▽明治大学木寺ゼミナール「お水がワク沸くin忍野~水に生かされ、活かしていく~」(山梨県・忍野村)
【特別賞「観光庁観光資源課長賞」】ナビタイムジャパン「富士山の湧水が支える文化を巡る 富士山の溶岩流に秘められた100年の時を巻き戻す」(静岡県・清水町)