山形県がまとめた「観光者数調査」によると、2010年度の観光客数は前年度比5.8%減の3943万人となった。前年度はNHK大河ドラマ「天地人」の放送や映画「おくりびと」のアカデミー賞受賞などが追い風となり、08年度比6.4%増の4184万人を記録したが、10年度は東日本大震災などが響き、減少に転じた。
観光客のうち、県内客は同3.7%減の2079万人、県外客は同7.9%減の1864万人とともに減少。
月別構成比は8月が13.9%ともっとも高く、以下、5月11.3%、7月10.6%、6月10.6%となっている。「四半期別では7〜9月が33.4%を占め、夏季の割合が高い」(観光経済交流局)。月別増減率では5月と7月を除き、軒並み減少。特に3月(前年同月比36.9%減)と9月(同16.1%減)が目立つ。3月は震災、9月は前年秋の大型連休の反動が出た。
観光地類型別構成比は「温泉観光地」への入り込みが1006万人(25.5%)ともっとも多く、次いで「その他の観光地」の950万人(24.1%)、「名所・旧跡観光地」の901万人(22.9%)となっている。
温泉観光地の入込者数は97年度をピークに漸減傾向にあり、景気低迷による観光需要の減退も影響し、引き続き前年度を下回った。
山岳観光地、スキー場、名所・旧跡観光地などが減少する中、海水浴場には約56万人が集まり、前年度に比べ13.3%増と好調。「天候に恵まれ、高速道路無料化社会実験の効果もあった」(同)としている。