東北観光推進機構6社協山形支部に加盟する旅館・ホテル関係者や旅行業関係者らは17日、東京・銀座の山形県のアンテナショップ「おいしい山形プラザ」で一般消費者に向けた観光PRを行った。東日本大震災や東電の原子力発電所事故などの影響で落ち込む東北観光を同県観光から盛り上げようとのキャラバンの一環。
同県が出荷量、額とも日本一を誇るサクランボの本格出荷を前に、吉村美栄子知事らがトップセールスを行うのに合わせ実施した。
吉村知事は、「被災県に隣接する“応援県として山形ができることは、けん引役として東北観光を盛り上げること。しかしサクランボ狩りなどでこれから本県観光のハイシーズンを迎えるにもかかわらず、旅館・ホテル、果樹園にはお客さまが来ていない。サクランボを皮切りにこれからどんどんとおいしいフルーツが実ってくるので、ぜひ実際に足を運んで、東北の元気を感じるとともに復興を後押ししてほしい」と訴えた。
また岡崎彌平治同支部副支部長(タカミヤホテルグループ代表取締役)が「山形県知事がこんなに若くてきれいなのは、おいしい山形の食べ物と温泉につかっているから。ぜひ山形にお越しください」とユーモアを交えてアピールすると、雨の中にもかかわらず集まった買物客からは笑顔がこぼれた。
同支部は15日から大阪、東京の旅行会社、キャリア各社を訪問し、同県観光の現状の説明や、東北方面への旅行商品造成などによる誘客への協力要請などを行い、各社から一定の理解を得られたという。
岡崎副支部長は、「東北観光を盛り上げようと言っても、被災地はそれどころではない。キャンペーンなどを積極的に行い、東北全体の観光需要の回復に努めることが、今動くことができる山形の役目だ」と述べた上で、「在県旅行会社の支店長が皆キャラバンに参加するなど、ピンチは今までにないことを生む。庄内地方や新潟、秋田経由での観光ルート開発など、このピンチを商品づくりのチャンスにしたい」と力強く意気込みを語った。
吉村知事らが参加した