尾瀬保護財団などが主催する「尾瀬に関する情報交換会」が13日、東京都内のホテルで開かれ、旅行会社やメディアの担当者などが参加した。周辺自治体などが尾瀬国立公園の豊かな自然や美しい景観、多様なルートをPR。山小屋や周辺地域に宿泊して、尾瀬の魅力を体験してほしいと呼びかけた。
環境省によると、2017年の尾瀬国立公園の入山者数(登山者カウンター設置期間の5月中下旬~11月初旬)は、前年比2・6%減の28万4千人だった。雪が遅くまで残ったことや10月の台風などで入山者数が伸び悩んだ。
尾瀬保護財団の須藤雅紀常務理事は「入山者数は2年連続で30万人を切ってしまったが、しっかりと魅力をアピールして、多くの人に尾瀬を体験してもらいたい」と述べた。
尾瀬国立公園を取り巻く市町村は、魚沼市(新潟県)、南会津町(福島県)、檜枝岐村(同)、片品村(群馬県)。各自治体のトップが、尾瀬を中心とした観光についてプレゼンテーションした。
檜枝岐村の星光祥村長は「朝夕の尾瀬の魅力は山小屋に宿泊しないと体験できない。宿泊を伴う尾瀬の旅行商品などを造ってほしい」と述べ、檜枝岐からの散策、三条ノ滝などの見どころをPR。南会津町の大宅宗吉町長は、町内から入山できる田代山について「山頂の湿原には高山植物など美しい景観が広がる。年間登山者は1万人ほどだが、もっと来てもらえるようにしたい」と語った。
魚沼市の佐藤雅一市長は「子どものうちから自然に触れる機会がこれからの観光には重要」と述べ、魚沼からバスや奥只見湖遊覧船などを利用して尾瀬に向かうコースなどを紹介。片品村の梅澤志洋村長は、代表的な入山口の鳩待峠、富士見峠とともに、大清水から尾瀬に入るコースをアピール。都心や日光からのバスなどのアクセスについても紹介した。