奈良県は5日、県観光連盟(会長・荒井正吾知事、179会員)と奈良コンベンションビューロー(理事長・西口広宗奈良商工会議所会頭、202会員)を統合し、来年4月1日に「財団法人奈良県ビジターズビューロー」(仮称)を設立すると発表した。10年の平城遷都1300年祭をにらみ、観光振興体制を強化する。
県によると、観光連盟は観光客の誘致や観光振興を推進、コンベンションビューローはコンベンション誘致と支援をしているが「観光振興とコンベンション誘致は本来密接に関係する分野」(観光振興課)であり、両方の取り組みを一体的に行う方が効果が出ると判断した。
新財団ではまず、県観光の情報発信サイト、大和アーカイブスについて新たに宿泊施設の予約可能なサイトへのリンクや魅力ある食事処の情報提供など、内容を充実させる。旅行商品の造成にも取り組み、モデルコースを設定して、観光客が少ない中南和地域(橿原、吉野など)への誘客を図るほか、オフシーズンの商品素材の開発を行う。具体的には特別割引商品の企画や宿泊施設の割引などを検討課題に挙げている。
コンベンション誘致では、従来の奈良市を中心とした誘致活動から、中南和地域など全県を見据えた活動に重点を移し、コンベンションや宿泊施設との連携体制の確立も目指す。