観光旅行で奈良に宿泊する場合、泊まりたいのは旅館──。奈良県への宿泊旅行の現状やニーズなどを把握しようと南都経済センターが行った調査で、こんな結果が明らかになった。調査は、平城遷都1300年祭の開催を約3カ月後に控えた時期をとらえて行ったもので、10日に発表された。
首都圏と近畿圏など(奈良県を除く近畿圏と三重県)の在住者を対象にインターネットを利用して調査。1096人から回答を得た。
奈良に観光旅行する場合、希望する宿泊施設を「旅館(料金がリーズナブル)」と回答したのは、首都圏が31.8%、近畿圏などが30.8%となり、両地域ともトップだった。「ホテル(料金がリーズナブル)」は両地域で2番目に多く、首都圏は25.3%、近畿などが27.6%だった。料金がリーズナブルな旅館とホテルで全体の6割を占めた。
首都圏で3番目に多かったのは「旅館(料金が高くても質が良いもの)」で11.5%。「町家風、古民家風のしゃれた旅館」が11.2%で続く。近畿圏などで3番目に多かったのが「町家風、古民家風のしゃれた旅館」で15.3%。4番目に多かったのが「旅館(料金が高くても質が良いもの)」で12.8%だった。
修学旅行客と同じ宿に宿泊することについては、「できるなら避ける」「絶対に避ける」という回答が全体の6割を占めた。
観光地としての奈良に不足している項目を尋ねたところ、首都圏の上位は「温泉」(35.7%)、「交通インフラの整備」(23.0%)、「食材、名物料理」(22.6%)。近畿圏などは「温泉」(41.7%)、「食材、名物料理」(38.3%)、「新しい観光資源」(22.7%)の順。「おもてなしの心」は両地域とも4%程で少数意見となり、おもてなしの心が宿泊客に伝わっていることがうかがえる。