全国旅行業協会(ANTA)の事務受託会社である全旅(池田孝昭社長)は、着地型企画旅行「地旅」(じたび)の優れた作品を選ぶコンテスト「地旅大賞」を創設、最終選考を18日に行い、大賞に飯山市観光協会(長野県飯山市)の「うさぎ追いし飯山……」を決めた。5700のANTA会員に地域の人たちとの連携による地旅づくりを奨励し、地旅の事業化を促すことによる地域活性化の意義を広く啓蒙することを目的とした賞だ。
地旅は、全旅が認定した着地型の企画旅行。テーマや目的が明確で、自然景観、生活文化、歴史遺産など地域資源の保全に取り組んだ、地域の人や団体と協力した企画などが要件。認定されると、観光商品流通サイト「ANTAネット」に商品登録される。
池田社長は「旅行会社だけでなく、地域住民と一体となって造成することにより、深みのある商品ができる。地旅づくりは、ANTAの会員が勝ち組に残るか残らないかの岐路になる」と語る。
賞は、地域内の連携の度合い、将来にわたる持続性、ユニークさなどを基準に選考。昨年10月1日〜12月10日の期間内に応募された123作品から、今年1月30日の第一次選考で27作品に絞り、最終選考では大賞1点、優秀賞3点、特別賞11点を決めた。大賞には50万円、優秀賞には30万円、特別賞には10万円の賞金を贈る。
飯山市観光協会の「うさぎ追いし飯山……」は、ふるさとの原風景と言える、心安らぐ自然と景観が広がる飯山で「ふるさとの旅」を提案する商品。「現代人に必要なものが盛り込まれ、いやされるコース内容」と高く評価された。
優秀賞には、菅原鮮魚(山形県酒田市)の「ロケ地の庄内めぐりとグルメな味覚めぐり旅」と三嶋観光バス(静岡県田方郡函南町)の「温い巡礼伊豆八十八カ所出会いの旅」、エヌティーエー旅行はぎ本店(山口県萩市)の「古地図で歩く、水のまち萩」が選ばれた。
入賞作品は今後、モニターツアーなどで実証実験を行う予定。
特別賞=アール・エイチ企画(福島県会津若松市)「新鮮野菜朝摘み体験ツアー」▽都市農山漁村交流活性化機構(千葉県いすみ市)「いすみ海幸物語」▽冨士トラベル石川(石川県小松市)「北前船が生んだ『食の世界遺産』とその寄港地を訪ねる」▽フジワールド企画(静岡県富士宮市)「富士山原生林エコツアー」▽ツアーランド(京都府京都市)「新撰組スペシャルウォーキングツアーから5年、龍馬がやってくる」▽京都府旅行業協同組合(京都府京都市)「着物の似合う町 京都・西陣を歩く」▽さくらトラベル(大阪府堺市)「中世から近代の堺市の文化遺産を訪ねる旅」▽スカイウェイ(兵庫県豊岡市)「幸せを運ぶコウノトリと環境体験の旅」▽船鉄観光旅行社(山口県山陽小野田市)「CRSツーリズム知られざる『窯業のまち』山陽小野田の1500年」▽日本内外旅行天草営業所(熊本県天草市)「島人と過ごす3日間」▽九州トラベルサービス(熊本県阿蘇郡小国町)「阿蘇小国郷の暮らしにふれる旅」
