日本旅行は16日、同社が担当した全国旅行支援事業の愛知県版「いいじゃん、あいち旅キャンペーン事務局」の運営業務で、人件費に関する一部不正が判明したと発表した。昨年7月から今年4月の10カ月間で約530万円の不正が判明。今後、全容解明に向けた取り組みを進めるとしている。
事務局運営業務は同社を含めたコンソーシアムが受託。同社は補助金審査運営業務を担当していた。同社(担当=愛知法人営業部)から毎日10~20人を拠出し、うち2人は運営責任者を含めた社員、残りの人数は外部派遣会社に委託し、運営に当たっていた。
5月10日午後、同社の要員拠出について不正の疑いがあるとの通報があったと連絡があり、同社は翌11日、同社勤務指定表と事務局勤務表の突合を行うとともに、運営責任者、愛知法人営業部長からの聞き取りを実施した。派遣会社から体調不良や個人的事情による前日、当日の欠員連絡が入るたび、その欠員補充として事務局勤務表に同社社員の名前を記載していたが、実際には勤務実態がないことが発覚した。
欠員が出た際、運営責任者から愛知法人営業部長に連絡し、同部長は同社勤務指定表を確認した上で事務局業務に対応できる社員を特定していたが、同部長は同社勤務指定表に事務局業務と記入するだけで、実際には同業務に従事させず、支店での通常業務を行わせていた。
また運営責任者は、事務局勤務表に特定社員を欠員補充として記入するなど不正な記入を行っていた。
同社は今後、同件に関わる原因の究明と再発防止策の構築、同社が関わる類似案件の調査を行うとしている。