全国企業の景気DI、5カ月連続で悪化


 帝国データバンクはこのほど、全国企業の景気動向調査の2014年12月分を公表した。同月の景気DI(0〜100、50が判断の分かれ目)は前月比0.5ポイント減の43.0と、5カ月連続で悪化した。業界別では10業界中6業界、地域別では10地域中8地域が悪化し、特に北海道では前年同月比で過去最大の下落幅となった。「中小企業の業績に厳しさが広がる中で、大雪が追い打ちをかけ、国内景気は一段と悪化している」(帝国データバンク)。

 景気DIは昨年3月の51.0をピークに、消費税率が8%に上がった同年4月以降、下落基調にある。

 10の業界別では、6業界で悪化。このうちサービスは前月比0.1ポイント減の47.2と5カ月連続で悪化。旅館.ホテルは同0.6ポイント増の47.6と、4カ月連続で好転したが、飲食店、リース.賃貸などサービス業界15業種中8業種で悪化した。

 運輸.倉庫は同1.0ポイント減の43.8と、3カ月ぶりに悪化。公共工事向け貨物など物流量が減少しているほか、原油価格が急落しているものの、燃料価格が依然高水準にあり、特に規模の小さい企業ほど収益環境が厳しさを増している。

 製造は同0.6ポイント減の42.3と、5カ月連続で悪化。建設も同0.7ポイント減の50.3と、5カ月連続で悪化した。

 前月から好転したのは農.林.水産、不動産、小売、その他の4業界。

 10の地域別では、8地域で悪化した。このうち北海道は同1.4ポイント減の40.1と、5カ月連続で悪化。2013年2月(38.4)以来の水準に落ち込んだ。前年同月比では11.8ポイント減と、過去最大の下落幅を記録した。11月の電気料金値上げによるコスト上昇のほか、記録的な大雪の影響で工事が中断した建設関連、荷動きの減った運輸関連、飲食店を含むサービス関連などが大きく悪化した。

 北陸も同0.9ポイント減の41.9と、5カ月連続で悪化。大雪により外部の配管工事や設置工事が減少、公共事業も減少するなど、5業界で悪化した。

 前月から好転したのは四国、九州の2地域。

 企業の規模別では、大企業が同0.3ポイント減の46.6、中小企業が同0.6ポイント減の42.0、小規模企業が同0.5ポイント減の41.6。5カ月連続で全規模が悪化した。

 サービス業の現在と先行きの景況感に関するコメントは次の通り。

 「訪日外国人は2013年より好調に推移し、おせちも販売好調のため、全体的としては選挙がなければ2013年を上回る結果となっていた」(旅館)。

 「北陸新幹線の開業に伴い人の流入が増えるなど見通しは明るい」(ビルメンテナンス)。

 「消費税再増税は延期されたものの、地方都市は相変わらずアベノミクスを実感できていないままで、来る再増税によってさらに景気が悪化するので、3年以上は不景気状況が続くと思われる」(広告代理)。

 
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