全国の祭礼支援を行う「一般社団法人明日襷(アシタスキ)」が設立された。
木工・金工・漆工の技術で神輿や神棚の修繕・製作もしながら,国内だけでなくドイツ・フランスなど,ヨーロッパを中心に海外へ日本の祭文化を紹介し,祭礼文化の裾野を広げていきます。
【設立の目的】
現在,全国には数万の祭礼があると言われていますが,全国各地の一次二次産業,伝統文化や伝統工芸の後継者不足,過疎などにより祭の継続,継承が困難になっています。
一方で,都会では住宅構造の変化により,故郷が身近でなく,興味はあっても祭に参加することが出来ないといった若者も多く,また近年では外国人の移住者も増え, 日本文化である祭に参加してみたいという声もあります。
しかしながら,神社祭礼は大切に継承されてきた地域の文化であるため,安易に外部からの流入を受け入れることは,伝統を大きく変化させたりしてしまうといった不安もあります。
当法人は,地域住民と連携をしながら祭礼継承の方法を考えていきます。
また,フランス・ドイツといったヨーロッパでの神輿渡御を主催し,祭礼文化の可能性の裾野を広げ,認識を高めつつ日本国内でのより良い祭の未来を創る方法を模索していきます。
当法人は,全国数十ヶ所の祭礼との関係を持ち,祭礼に参加しているため,強く地域に関わっています。
しかし,各地には同時に過疎などの多くの問題もあり,根本的な解決を今すぐ求めるのは困難です。そのため,当法人は祭をきっかけに各地の人脈やノウハウを集積,交換しながら次世代へ祭文化に関する技術・人脈・情報を蓄積し,継承することを目的としています。
【事業内容】
[1]神輿神棚などの製作・修繕
木工・金工・漆工の技術で神輿・神棚など神社祭礼に関わる物の製作・修繕を行います。
[2]祭礼支援
地域の神社へ赴き,祭礼に参加,また運営に関しての相談を受けながら祭礼継承のための支援をしています。
[3]教育・講演
参加してきた祭礼や,神輿修復,海外での経験など, 様々な角度から観た祭についての講演を行うほか,学生や若者向けに祭への関わり方や祭について伝える活動を行っています。
[4]国際交流
フランスに輸送し,現地で保管してある神輿を年に一度,ヨーロッパで渡御しています。今年度は2018年5月を予定。渡御の方法は現職の神主と相談しながら,日本の祭礼文化に敬意を持って行っています。
▼2017年,ドイツ・ベルリンでの渡御の様子
【法人概要】
法人名 一般社団法人明日襷(いっぱんしゃだんほうじんあしたすき)
代表 宮田宣也(みやたのぶや)
事業所 横浜市栄区小菅ヶ谷
設立 平成30年1月26日
WEB http://www.asitaski.jp
事業内容 神輿神棚の修繕・製作,祭礼支援事業