中小企業金融公庫はこのほど、全国の中小企業対象の「中小企業動向調査」の、今年7〜9月分の結果を公表した。それによると、同期の中小企業の業況判断DI(「好転」とする企業割合から「悪化」とする企業割合を引いた値、季節調整値)はマイナス7.2で、前期(今年4〜6月期)のマイナス4.4から2.8ポイント数値が悪化した。今年10〜12月期、来年1〜3月期の見通しもマイナスとなっており、先行きについて引き続き慎重な見方となっている。
調査は今年9月中旬から下旬に同公庫の取引先1万2771社に実施した。有効回答企業数は6138社で、回答率48.1%。
業況判断DIは、2期連続のマイナス。このうち製造業はマイナス7.1、非製造業はマイナス7.5で、ともに前期からマイナス幅が拡大した。
先行き見通しは、今年10〜12月期がマイナス7.0、来年1〜3月期がマイナス2.9で、ともにマイナスから脱却できない見通し。
業況判断DIを業種別にみると、製造業では非鉄金属でプラス幅が拡大。電子部品・デバイスではマイナス幅が縮小した。半面、木材・木製品でマイナス幅が大幅に拡大。印刷・同関連、窯業・土石でもマイナス幅が拡大した。
非製造業では、水運業、情報通信業でプラス幅が拡大した。一方、卸売業、小売業ではマイナス幅が拡大した。飲食宿泊業はマイナス幅が縮小した。
業況判断DIを地域別にみると、近畿がマイナスに転じたほか、北海道、東北、関東、東海、中国、九州でマイナス幅が拡大した。北陸、四国はマイナス幅が縮小した。
同期の売上DI(「増加」とする企業割合から「減少」とする企業割合を引いた値、季節調整値)は全業種で0.8。3期連続でプラス幅が縮小した。このうち製造業は4.5、非製造業はマイナス2.5で、ともに3期連続の悪化。非製造業は前期までのプラスからマイナスに転落した。飲食宿泊業は前期のマイナスからプラスに転じた。
来期の見通しは全業種で2.9。このうち製造業は6.5、非製造業はマイナス0.3で、ともに今期からの改善を見込んでいる。