個人タクシー協会、マスターズ認定推進へ


 全国個人タクシー協会(東京都豊島区、木村忠義会長、4万9166会員)は今年度から、同会が進めてきた、安全面などで優良な個人事業者を認定する制度「マスターズ制度」を改訂する。仕組みを簡素化するなどしてより多くの会員が参加しやすい環境をつくることで、同会の中核事業として積極的に推進したい考えだ。

 7月15日に東京都内で開いた今年度の通常総会で決めた。改定に当たっては制度参加者の意見や要望を入れ、「より分かりやすく、より参加しやすい制度にした」(同会事務局、渡邉洋貴総務部長)。

 マスターズ制度は98年12月にスタート。制度参加期間の長さや安全な運転の実施状況などで事業者を「ひとつ星」「ふたつ星」「マスター(3つ星)」に認定するもの。制度への参加には、「基本事項」「安全運転」「良質なタクシー・サービス」についてそれぞれ約5項目の基準を満たす必要がある。

 今回の改定では全15項目ある基準を13項目に整理、簡素化。また交通違反などで降格になった事業者の手続き方法などを可能な限り簡略にすることで、事業者に分かりやすい仕組みにした。

 また従来、ランクが示されたドアステッカーを貼付するほか、最高位のマスターのみ車上に3つ星の表示灯を付けるよう定めていたが、今年度からはドアステッカーとマスターの表示灯を廃止。個人事業者であることを示す表示灯にランクを示すステッカーを貼る仕組みに改め、ドライバーのランクが利用者からひと目で分かるようにする。

 総会で木村会長は「マスターズ制度は、個人事業者の優れたサービスを担保し『差別化』を図るためのもの。より多くの会員に参画してもらうことで、接客の質を高めていこう」と呼び掛けた。

 00年に最初のマスター認定事業者が誕生し、現在6945人のマスター事業者がいる。

 
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