リョケン、金太郎温泉でセミナー 


講演の様子

 コンサルタントのリョケン(静岡県熱海市)はこのほど、金太郎温泉(富山県魚津市)で「今こそ変わる時!取組事例から現状を打破する方法を見つけ出す」のテーマのもと、事例研究セミナーを開催した。旅館・ホテル経営者を中心に50人が参加した。

 金太郎温泉は、経営革新計画を2009年に策定し、段階的な設備投資による個人客対応を推進。コロナ禍以降のさらなる個人客化を見据え、同計画の延長上に「リ・ボーンプロジェクト」を掲げ、昨年6月に新装開業した。

 1日目の事例紹介では、同館代表取締役社長の木下荘司氏、リョケン常務取締役の浜荻仁志氏が講演。木下氏はリ・ボーンプロジェクトをはじめとする同館のさまざまなチャレンジを自身の経験も交えながら解説。浜荻氏は経営革新計画をより深掘りして解説した。

 リョケン社長・佐野洋一氏は、同社発刊の「令和5年 旅館の経営指針『ゼロベース発想』に立つ商品づくり」に沿って、今後行うべき商品整備について提言した。

 2日目には、三つの事例講演を実施。

 嵐渓荘(新潟県三条市越後長野温泉)は同市内唯一の温泉旅館という立地特性を生かし、ビジネス向け商品を再構築。既存の客室では、躯体を残しつつ、テラス、ワークデスク、ベッドを設け、滞在快適性を高める改修を施すなどして、リラックスした環境でさまざまな「仕事創り」に対応できる宿として新規顧客の獲得を目指している。

 栄楽館グループの萩姫の湯栄楽館(福島県磐梯熱海温泉)は3タイプの「新・和モダン客室」を新設し、既存コンセプト「来やすさ、楽しさ、親しみやすさ」に「居心地の良さ」を魅力として付加。客室内の機能を充実させたほか、パブリックサービスやアメニティ等ソフトサービスの見直しも図り、個人客化のニーズの多様化に対応していく商品を整備した。

 旅行での「地元のおいしいものを食べたい」という声の高まりを受け、「料理」商品アプローチに関しても事例講演を実施。多くの労力と時間を投入する料理商品の課題をいかに解決し、将来に向け進化させていくか、いかに自館の思いを顧客へ訴求する料理商品をつくっていくか。料理を進化させるための改革手法を、旅館の実例から多数紹介した。

 リョケンは「旅館大学セミナー」を12月12、13日に池の平ホテル(長野県白樺湖)で開催予定。同セミナーの詳細、問い合わせは同社ホームページ(https://www.ryoken-jp.com/seminars/ryokan-univ)。


講演の様子

 
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