全業種計は減少
帝国データバンクの調査によると、昨年1~11月のホテル・旅館の休廃業・解散(以下、廃業)件数は168件で、前年同期比36.6%増と、年間を通して過去10年で最多となる見込みだ。全業種計は減少も、観光関連産業などで増加が目立つ二極化の傾向となっている。
廃業は、企業活動が停止した状態の確認が取れたもの、もしくは商業登記などで解散が確認された企業の総称。法的整理による倒産は除いている。
廃業件数の全業種計は前年同期比3.0%減の5万448件。年間ではコロナ禍前の2019年(5万9225件)を最大で6千件程度下回る5万3千~5万5千件前後にとどまる見通しだ。「政府による中小企業への迅速な資金供給策などが功を奏し、BtoC業界を中心に、廃業へと傾きつつあった経営マインドに待ったを掛けた」と同社。
ただ、ホテル・旅館に加え、旅行代理店が前年同期比59.2%増の78件と、観光関連産業の増加が目立つ。
このほか来院患者急減の影響を受けたクリニック(同24.5%増の402件)、薬局・医薬品販売(同7.4%増の160件)、歯科クリニック(同3.8%増の81件)などの医療関係、整備士不足が深刻化する自動車車体整備(同7.9%増の82件)が増加。居酒屋(同23.4%増の79件)、パチンコホール(同14.1%増の73件)も増えている。