帝国データバンクによると、ビジネスホテル運営のホテルニューツカモト（千葉市）は、9月29日に東京地裁から特別清算開始命令を受けた。
同社は、1973年5月に設立、82年12月にホテル運営を目的に現商号に変更。実質本店を千葉市中央区に移転し、83年9月に「ホテルニューツカモト」をオープンした。
当時は、婚礼や宴会用の設備を整えたホテルとして、近隣顧客を中心に利用されていたが、需要の変化に伴って婚礼、宴会の需要が縮小、不採算となったことから2002年9月に同部門を廃止してビジネスホテルへと転換。ビジネス利用客と観光客を主力対象として、16年3月期には年収入高約3億700万円を計上していた。
しかし、過去の損失に伴う累損が大きく、親会社からの借入金によってまかなってきたが、財務面は債務超過が続いた。近年はインバウンド需要にも陰りが出て、業況が頭打ちとなる中、ホテルの不動産を所有していた親会社の経営判断により事業を停止、不動産売却を検討していたところ、今年に入り新型コロナウイルス感染症の拡大により利用客が急減。6月いっぱいでの事業停止を決定、6月30日の株主総会決議で解散していた。
負債は約13億円。なお、ホテル運営は別会社が承継し、名称を変更して営業されている。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う県内企業の倒産は12件目。
