フィンランド政府観光局、「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」開始


 フィンランド政府観光局は、「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を開始した。

Visit Finlandはこの度、フィンランド国内の観光産業に関わる全ての地域に向けて、「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を本格的に行うことを発表します。 本プログラムは、 経済的、生態学的、社会的、文化的な持続可能性の4つの側面に焦点を当て、企業や地域に対して持続可能な開発プロセスや環境にやさしい観光のための包括的なツールを提供し、それによって責任と倫理感を伴った環境に優しい企業活動を行えるよう後押しする、フィンランドが自国の風土や文化に合わせて独自に設計したプログラムです。

 

 

ポシオ、リーシトゥントゥリ/Visit Finlandポシオ、リーシトゥントゥリ/Visit Finland

クーサモ、ポシオ(フォトグラファー:Harri Tarvainen)/Visit Finlandクーサモ、ポシオ(フォトグラファー:Harri Tarvainen)/Visit Finland

フィンランドの環境と守るべきライフスタイル
気候変動や世界的なパンデミックは、今後旅行業が生き残るためには、包括的なサステナブル・トラベルの実現が急務であることを浮き彫りにしました。 Visit Finland(フィンランド政府観光局)がフィンランド国内で進めている「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」は、サステナブルで責任ある旅行が新常識になり広まることを目標にしています。ラップランドのポシオ(Posio)は、このプロジェクトの認定を受けた初めてのデスティネーションです。

世界的に見ればフィンランドは小さな国ですが、環境パフォーマンス指数で見ると、世界で最もサステナブルな国のトップ10に選ばれています。国土の70%近くが森林で、188,000もの湖があることから、EU内で最も豊かな淡水資源を持ち、また世界で最も空気がきれいな国としても知られています。

また、フィンランドは、国際連合による世界幸福度調査により2018年から2020年まで3年連続で最も幸福な国に選ばれており、2016年には「Sustainable Society Index(持続可能な社会の指数)」により、ヒューマン・ウェルビーイング(人間の幸福度)の指数が最も高い国としても選ばれています。2035年までに世界初のカーボンニュートラル(気候中立:二酸化炭素の排出量と吸収量とがプラスマイナスゼロの状態になること)な福祉国家になることを目指しています。フィンランドでは、自然や日常生活と同様に観光産業も、四季の変化や自然に寄り添うライフスタイルと密接に関わっているのです。

Visit Finlandは2019年に、旅行業界における持続可能性を新たな規範とし、フィンランドを世界で最もサステナブルな旅行先の一つにすることを目的に、「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を立ち上げました。Visit Finland / Business Finlandサステナビリティ担当マネージャーのLiisa Kokkarinenは「私たちは、手つかずの自然と、それに深く根差したフィンランドのライフスタイル、そして平等を重んじる文化を育み、今の状態を保ち、守っていきたいのです。」と述べています。

サステナビリティへの包括的なアプローチ
「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」は、 経済的、生態学的、社会的、文化的な持続可能性の4つの側面すべてに焦点を当てています。プログラムの全課程を修了し、国の示す持続可能な観光原則への取り組みや、短期および長期の目標を掲げた持続可能な観光開発計画の作成など、7つの基準を満たした企業と観光地にのみプログラムからの認定が与えられます。

「フィンランドはサステナブルな国だと認識されてはいますが、旅行を扱う企業がサステナブルな活動をしているかを判断する方法はありませんでした。旅行者は、サステナブル・トラベル・フィンランドの認定を受けた企業や土地を選ぶことで、サステナビリティを重視する企業の努力を支持し、旅行することが地元経済や文化の活性化につながると確信できると同時に、環境への影響は最小限にとどめることができるのです。」とKokkarinenは述べています。

「『サステナブル・トラベル・フィンランド』は、海外旅行需要の回復に適しているタイムリーなプログラムであるといえます。日本でも業界団体や旅行会社と協議を進めており、Visit Finlandは自然・テクノロジー・サステイナビリティをテーマにしたメッツァ・パビリオン(フィンランド大使館敷地内に新設された多目的イベントホール)にて春以降より、パンデミックの状況を鑑みながらではありますが継続的に関連イベントを実施し、このテーマについて継続的に発信していく予定です。」とVisit Finland日本支局代表の沼田晃一は述べています。

「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」は驚くほど人気を集めており、パンデミックが起こる前に、Visit Finlandが掲げた目標を大きく上回る反響が既にありました。500以上の企業と観光地がプログラムに申し込みをしており、すでに57の企業と1つの観光地がプログラムを修了し、「サステナブル・トラベル・フィンランド」の認定を受けるに至っています。

Kokkarinenはこうも述べています。 「パンデミックが起こる前は、フィンランドの観光業界は安定して急成長を遂げていました。それが、私たちがサステナビリティに多大な投資をしている理由の一つです。パンデミックは私たちに準備する時間を与えてくれました。旅行ができるようになった時には、フィンランドは、より魅力的で、今の時代に合っている、サステナブルな旅行先となって海外からの旅行者をお迎えすることができるでしょう。」

フィンランド ラップランドの秘宝、ポシオ
ポシオは、ラップランドにある人口3,000人弱の自然を愛する小さなコミュニティです。ポシオは、サステナブルな旅行先として初めて「サステナブル・トラベル・フィンランド」の認証を取得したデスティネーションであり、Global Green Destinations foundationとそのパートナーによって組織された「2020年 サステナブルなデスティネーション トップ100」のリストにも掲載されています。
ポシオでは、その魅惑的な風景が旅行者の心をつかみ、自然のありがたみを再発見させてくれます。リーシトゥントゥリ(Riisitunturi)とシュオテ(Syöte)の国立公園、コロウオマ(Korouoma)渓谷、「ラップランドのリビエラ」とも呼ばれるリボヤルヴィ(Livojärvi)湖、ペンティック=マキ(Pentik-mäki)文化センターは、自然と文化の共生のためのユニークな環境を作り出しています。

「ポシオは『ラップランドの秘宝』と言われています。 地元企業は何年にもわたってサステナビリティに積極的に取り組んできました。 サステナブル・トラベル・フィンランド プログラムの結果、企業はエネルギーや水の節約などの新しい持続可能性への対策を採用したり、地産地消を積極的に行ったりしています」と、ポシオ・トラベルのマネージングディレクター、Marja Hannulaはコメントしています。

ピュハ/Visit Finlandピュハ/Visit Finland

スオメンリンナ(フォトグラファー:Juha Kalaoja)/Visit Finlandスオメンリンナ(フォトグラファー:Juha Kalaoja)/Visit Finland

ラップランドでは、カーボンニュートラルな活動をしているピュハ・スキーリゾート(Pyhä Ski Resort)もこの認証を取得し、世界で最もクリーンなスキー施設になることを目指しています。 フィンランドの他の地域では、ヘルシンキの海岸沿いにあるユネスコの世界遺産に指定されているスオメンリンナ(Suomenlinna)、Archipelago  Sea National Park―トゥルク(Turku)間における数日間のシーカヤック体験を手配しているアーバメリ(Aavameri)、野外展示や火で淹れたコーヒー、美味しいバター風味のフィンランド風クレープなどで定評のある湖水地方の「Silent People Meadow Cafe and Restaurant 」でも、サステナブルな体験をすることができます。

「フィンランドは、平和、自然の穏やかさと純粋さ、ローカルの文化やライフスタイルの体験、そして安全とゆとりを感じられる責任ある方法を探している旅行者に、これらすべてを提供してくれます」とKokkarinenは述べています。

「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」本格始動までの軌跡
Visit Finlandは2019年に「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を開始しました。1年間の試験的な段階を経て、2020年6月にフィンランドの観光産業全体にプログラムが公開されました。 本プログラムは、レストラン、宿泊施設、旅行代理店、アクティビティの提供者、観光施設、交通機関、イベント、リゾートなど、フィンランド国内のすべての旅行産業ビジネスとデスティネーションを対象としています。「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」の全課程を修了し、基準を満たした企業や旅行先にのみ認証が付与される仕組みとなっており、このラベルは定期的に監査され、更新される必要があり、ラベルを持つ企業や地域は持続可能な開発への真のコミットメントが求められます。

「サステナブル・トラベル・フィンランド プログラム」を立ち上げるにあたり、フィンランドにおける持続可能な観光開発の現状、障壁、必要条件を調査しました。その結果、開発のためのコミットメント、ノウハウ、計画、コミュニケーション、監査、測定などの分野が必要であると認識されました。フィンランドで「すぐに使える」国際的なモデルを採用するのではなく、地域に違いがあることと同様に、これらのニーズに対応するためのフィンランド独自の国家的モデルが設計されました。

サステナブル・トラベル・フィンランド プログラムは、認証制度(環境マネジメントシステムの仕様を定めた規格「ISO14001」や環境に配慮した宿泊施設のエコラベルである「Green key」など)を含む多くの国際的な持続可能な開発プログラムと連携し、持続可能な開発目標(SDGs)を推進し、ETC(欧州旅行委員会)、ETIS(欧州版観光指標システム)、GSTC(世界持続可能観光協議会)などの国際的な指標システムを考慮しています。それと同時に、地域や国の開発ニーズにも合わせて構築されています。

「サステナブル・トラベル・フィンランド」について  
詳細は下記ウェブサイトを参照ください。
https://www.visitfinland.com/sustainable-finland/sustainable-travel-destinations/
https://www.businessfinland.fi/en/do-business-with-finland/visit-finland/sustainable-travel-finland-label

 
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